大相撲の元横綱で解説者としても活躍した北の富士勝昭さんの死去が明らかになって一夜明けた21日、角界関係者からは、その82歳での死去を悼む声が相次いだ。
北の富士さんが務めたNHK専属解説者に開催中の九州場所から就任した元大関の琴風浩一さん(67)は「体調が悪いのは知っていたが……」と驚きを隠せなかった。年齢が15歳離れていることもあり、その印象は自身が親方になってからの方が強いという。「着物姿で稽古(けいこ)場にやって来て、口調も爽やか。親方としては2人の横綱(千代の富士、北勝海)を育てた。『かっこいい』という言葉がぴったり当てはまる、唯一無二の人だった」としのんだ。
北の富士さんはNHK解説の出演を見合わせており、「共演」は果たせなかった。「(和服など)華やかな衣装や語り口はまねができるものではないが、私も思いが伝わるように話していければ」と語った。
二所ノ関親方(元横綱・稀勢の里)は九州場所の会場の福岡国際センターで、「若い時から解説で応援していただいた。厳しいことを言われたけど、温かかった。寂しいですね」と話した。さらに「大関で低迷している時に『相撲を教えてやる』と言われて2人で飲みに行ったのが思い出。『遊びが足りない』と言われた。心に余裕がなかった。着物を着こなしていた。いつか(自分も)着物を着られる人間になりたい」と語った。
高砂親方(元関脇・朝赤龍)は「(同じ高砂)一門だったので、いろいろとアドバイスをもらった。解説を楽しみにしていて、聞いていて面白かった。辛口も多かったです」と振り返った。【岩壁峻、武藤佳正】
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