明治神宮野球大会の高校の部は20日、神宮球場で開幕し、10年ぶりに出場した東海大札幌(北海道)が大垣日大(東海・岐阜)に3―0で零封勝ちした。東海大札幌は22日の準々決勝で広島商(中国・広島)と対戦する。
理想の打撃だった。東海大札幌の4番・太田勝馬(しょうま)が一回に先制の適時三塁打を放って流れを引き寄せた。
一回1死一、三塁の場面だ。相手投手の球筋を見極めた上での3球目。「次は変化球でストライクを取りに来る」と思った通り、低めのスライダーにうまくバットを合わせた。
逆方向に飛んだ打球は二塁手の頭を越え、右中間を破った。2者を還すと、太田勝馬は一気に三塁へ進んだ。引っ掛けないように右方向への打撃を普段から心掛けていることが大事な場面で奏功した。
1番を担った太田勝心(まさむね)は双子の兄。父は北海の選手として1994年の夏の甲子園で8強入りした経歴を持つ。勝馬いわく「自分はおちゃらけているが、勝心は落ち着いている」と2人の性格は正反対。勝馬が「すごく仲がいい」と語るように2人は登下校を共にし、打撃についても助言し合う。
秋季北海道大会決勝では、前年王者の北海から勝馬が左翼席に先制2ランを豪快にたたき込んだ。それも勝心のアドバイスが生きたものだった。この日、勝心は無安打に終わったが、勝馬は「真っすぐに差し込まれているぞ」と助言を忘れなかった。双子の兄弟が刺激し合い、チームに好影響を与えている。【黒詰拓也】
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