ボクシングの世界タイトルマッチ4試合(6日、東京ドーム)に出場する8選手が4日、横浜市内で記者会見し、スーパーバンタム級で世界4団体統一王者の井上尚弥(大橋)は「KOで勝つ試合を見せたい」と意気込んだ。

記者会見終了後、写真に納まる(前列左から)井上尚弥、ルイス・ネリ(後列左から)石田匠、井上拓真、ジェイソン・マロニー、武居由樹、ユーリ阿久井政悟、桑原拓=いずれも4日、横浜市内のホテルで

 元世界2階級王者で挑戦者のルイス・ネリ(メキシコ)は「練習はパーフェクトにやってきた」と自信を示した。  同じ興行のセミファイナルでは、世界ボクシング機構(WBO)バンタム級5位の武居由樹(大橋)が王者ジェーソン・モロニー(オーストラリア)に挑む。「一番目立つ試合をしたい。バチッと倒したい」と闘志を燃やした。  井上尚の弟で世界ボクシング協会(WBA)バンタム級王者の井上拓真(大橋)が2度目の防衛戦で同級1位の石田匠(井岡)の挑戦を受ける。WBAフライ級王者のユーリ阿久井政悟(倉敷守安)は桑原拓(大橋)を相手に初防衛戦に臨む。

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◆カリスマプロモーター・アラム氏「歴史に残る試合」

 ボクシングでは、マイク・タイソン以来34年ぶりの東京ドーム開催まであと2日。日本人初のメインイベントを務める井上尚の表情に、緊張感があふれた。「いよいよこの日が来た。とてつもない試合ができると確信している」と落ち着いた口調で誓った。  会見場は報道陣と関係者で埋め尽くされ、これまでにない注目度だ。米興行大手トップランク社のプロモーター、ボブ・アラム氏は「井上チャンピオンは、ボクシング界のレジェンド。世界中のファンがこの試合を見ることになる。歴史に残る試合だ」とこの一戦の価値を語った。  この日は、3月の会見以来となるネリとの対面。精悍(せいかん)な顔つきの挑戦者に「非常に良い状態に仕上がっていると思った。自分自身、気を引き締める会見になった」と隙は見せなかった。

記者会見終了後、写真に納まる井上尚弥(左)とルイス・ネリ

 写真撮影後、ネリと右手で握手を交わすと、わずかに頬を緩めた井上尚。自身にとって、4団体統一王座の防衛戦は初めて。「エキサイティングした試合を見せたい。必ずKOにつなげて勝つ」。胸を躍らせ、大舞台でのゴングを待つ。(丸山耀平)

◆お騒がせ男ネリ、順調調整アピール

 井上尚に挑むネリはガムをかみながら会見に登場した。「体重はリミット内(55.3キロ)で問題ない」と順調ぶりをアピールし、「メキシカンの勇姿をみせたい。死を覚悟して闘いに臨む」と悲壮な覚悟をにじませた。  2017年の山中慎介戦で試合後にドーピング違反が発覚し、18年の再戦では体重超過。ボクシング界きってのトラブルメーカーだが、この試合に向け、事あるごとに体重を量っており、ドーピング検査も既に5回以上クリアしている。  パワーあふれる左右の連打を武器に、35勝のうち27KOを誇る。ネリは「長年この試合を待っていた。勝者となることを確信している。KOで必ず勝つ」と不敵に笑った。 

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