11月10日に今シーズン最後の試合を迎えた、J2・いわきFC。J2参入2年目の2024年は、目標としていたプレーオフ進出は逃したが、過去最高順位となる9位でシーズンを終えた。
ホーム「ハワイアンズスタジアムいわき」には、ホームゲーム19試合で1試合平均4200人あまりのサポーターが駆けつけ、“熱狂空間”を作り上げた。この一年を振り返る。
J2参入2年目 J1目指して
J1昇格プレーオフ圏内の6位以上を目標に掲げ、J2参入2年目をスタートさせたいわきFC。2024年1月、田村雄三監督は「皆さんの浜を照らす光となれるように、一戦一戦大事にこのメンバーで戦って、1年間終わった後に皆で笑顔でいられるように頑張っていきたい」と語っていた。
この記事の画像(6枚)2年目の手ごたえ
第3節の鹿児島ユナイテッド戦で、今シーズン初勝利を飾ると、第9節では2023年にJ1を戦った横浜FCからもアウェーで勝ち点を積みあげた。
迎えた第10節、ホームに迎えたのは昨シーズン大敗を喫した清水エスパルス。2点を先制される展開に2023年の記憶が蘇ったが、今シーズン加入の西川、さらには得点王争いにも食い込んだエース・谷村のゴールで王者相手に接戦に持ち込んだ。
この試合で谷村海那選手は「チャンスも決定的なシーンもたくさん作れていたので、自分たちが戦えるチームになったと思いました」と語っていた。
喜びも苦難も分かち合って
選手もサポーターも、2年目に感じていた確かな手ごたえ。しかし、5月上旬のホーム・千葉戦での勝利を境に、ホーム6試合連続で勝てないなどうまくいかない時期もあった。
喜びも苦難も、ともに乗り越え作り上げる「熱狂空間」。最終節の群馬戦には5000人を超えるサポーターが駆けつけ、勝利を見届けた。試合後、山口大輝選手は「今シーズン熱い応援ありがとうございました。プレーオフ進出はできなかったですけど、去年よりは成長した姿見せられたと思うので、本当にありがとうございました」と感謝の言葉を伝えた。
チームを支えた 谷村選手・山下選手
ホーム「ハワイアンズスタジアムいわき」の年間入場者数は、8万1516人と過去最多を更新し、ここからもチームとしての成長を感じることができる。
そのチームを支えた一人が谷村海那選手だ。谷村選手は、18ゴールで得点ランキング2位。
また山下優人選手は、9アシストでリーグ2位と、チームの攻撃を牽引した。
1300人が駆けつけた「魂の息吹くファン感謝祭」では、サポーターから「ファンが増えたことがうれしい。ファン感謝祭にこれだけの人が集まるのは今までなかったし、それは一試合一試合選手たちが全力で目の前のボールに向かって真摯に戦ってくれた結果」と言う声も聞かれた。
経験豊富なチームとの差
そんな期待感が溢れるシーズンだったが、プレーオフ圏内には惜しくも届かなかった。今シーズンプレーオフに進む4チームは、J1またはプレーオフ進出経験があるチームだ。
特にモンテディオ山形は、一時は16位まで沈んだものの終盤で破竹の9連勝し、一気に4位に浮上しプレーオフ進出を獲得した。
対していわきFCは、プレーオフ争いが続いた終盤戦に失速。勝負所で勝ち点を積み上げることができず、上位チームとの地力の差が出たシーズンとなった。
J1昇格のためには、こういった経験豊富なチームとの争いをものにしていくしかない。
続投が決まった田村体制、さらにはクラブ創設10周年の節目に、悲願のJ1昇格なるか!?
来シーズンは2025年2月に開幕予定だ。チームのさらなる成長と活躍に期待したい。
(福島テレビ)
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