春季岡山県高校野球大会(県高野連主催)は3日、倉敷市のマスカットスタジアムで決勝があり、倉敷商が6―5で玉野光南を破り、6年ぶり9回目の優勝を飾った。6月1日から広島県で開かれる春季中国地区大会に県代表として出場する。

         ◇

 延長十回、1点を勝ち越してなお1死一、三塁。倉敷商の梶山和洋監督の頭にはスクイズもよぎったという。だが「当ててくれれば」と妹尾大弥(2年)のバットに託した。

 打順は準決勝までの1番から6番に下がったが、妹尾は「チャンスで回る打順に上げてもらった」という意識だった。しかし三、七回の好機で凡退。

 「とにかく三塁走者をかえそうと全力で最初のストライクを振るつもりだった」。2ボールとなり「絶対まっすぐが来る」と読んだ。その通りに来た外角高めをセンターへ打ち上げ、この犠飛で貴重な6点目を挙げた。

 167センチ、67キロと小柄で、中学では内野手だった。「脚力があり、フットワークが良い捕手がほしい」と入学前に梶山監督に請われて捕手に転向。和田虎之介、増田勝利、大坪樹と多士済々の3年生投手陣を支える。「すごい先輩ばかり。球を受けてて楽しいです」

 梶山監督は「真面目でひたむき。いいキャッチャーになってきた」と評する。妹尾は「甲子園へはまだまだここから。夏につながる中国大会にしたい」と語った。(大野宏)

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。