【町田-柏】後半、ドリブルでボールを運ぶ町田の荒木駿太選手=東京都町田市の町田GIONスタジアムで2024年5月3日、高野裕士撮影

◯FC町田ゼルビア2―0柏レイソル●(3日・町田GIONスタジアム)

 町田といえばロングスロー。そんなイメージを逆手に取り、町田が柏の裏をかいたプレーで先制点を奪った。

 前半9分。右のタッチラインからDF鈴木準弥が大きく助走をつけて投げ入れるかと思いきや、素早いリスタートでのスローイン。ペナルティーエリア右に走り込んでいたFW荒木駿太のポストプレーから、FW呉世勲(オ・セフン)が右足で流し込むように先制点を奪った。

 「監督から常々、『狙えたら(速い)リスタートをして相手の隙(すき)を突いていこう』と言われていた」

 荒木がそう明かすと、町田の黒田剛監督はこの場面をこう評した。

 「(柏の)皆の意識が恐らくロングスローに向いていたと思う。荒木のしたたかさが功を奏した」

 後半24分には敵陣内でこぼれ球をことごとく回収した末、FW羅相浩(ナ・サンホ)のシュートが相手選手に当たって浮いたところを荒木が頭で追加点。これがJ1リーグ戦初ゴールとなった荒木は「ヘディングはあまり得意ではないけど、しっかり流し込めた。自分でも少しびっくりしている」と語った。

【町田-柏】後半、2点目を決めた後に雄たけびを上げる町田の荒木駿太選手(中央)=東京都町田市の町田GIONスタジアムで2024年5月3日、高野裕士撮影

 前節の磐田戦で敗れたが、昨季から一度もない連敗は今回も阻止した。黒田監督は試合前、選手たちにこんな話をしたという。

 「連敗する怖さを感じるよりも、町田のサッカーができないことに怖さを感じるように」

 試合を視察した日本代表の森保一監督は「町田はやるべきことが徹底されていた」。指揮官の統率の下で抜群の組織力を見せ、再び首位に返り咲いた。【高野裕士】

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