大リーグのMVPはレギュラーシーズンに最も活躍した選手に贈られる賞で全米記者協会に所属する記者30人の投票によって選ばれます。

投票はすでに終わっていて、11日は両リーグの最終候補3人が発表され、ナショナルリーグは大谷選手のほか、メッツのフランシスコ・リンドー選手、そしてダイヤモンドバックスのケテル・マーテイ選手が選ばれました。

大谷選手はエンジェルスからドジャースに移籍した今シーズン、去年受けた右ひじの手術の影響で指名打者としてバッターに専念し、打率3割1分、ホームラン54本、130打点、59盗塁という成績を残して、ホームラン50本、50盗塁の「50-50」を達成しました。

リーグはかわったものの2年連続のホームラン王と、日本選手初の打点王を獲得し、2年連続、3回目のMVP受賞が有力視されています。

ことしの受賞者は21日、日本時間の22日に発表され、大谷選手が受賞すれば投打の二刀流で受賞した過去2回と違い、指名打者として大リーグ史上初の快挙となります。

また、リーグをまたいでの受賞となればレッズとオリオールズでMVPに輝いたフランク・ロビンソンさん以来、2人目となります。

一方、アメリカンリーグのMVPの最終候補には、両リーグトップのホームラン58本を打ったヤンキースのアーロン・ジャッジ選手と、同じくヤンキースでホームラン41本、109打点のホアン・ソト選手、そして両リーグトップの打率3割3分2厘に加え、ホームラン32本、31盗塁をマークしたロイヤルズのボビー・ウィットJr.選手の3人が選ばれました。

両リーグMVPはロビンソンさんのみ

大リーグの歴史の中でも両リーグでともにMVPを受賞したのは、1950年代から70年代にかけて活躍したフランク・ロビンソンさんただ1人です。

ロビンソンさんは1956年にナショナルリーグのレッズでデビューし、右投げ右打ちの強打の外野手として1年目からホームラン38本を打つ活躍で新人王を受賞しました。

そして、25歳だった1961年には打率3割2分3厘、ホームラン37本、124打点、22盗塁の成績でナショナルリーグのMVPを受賞しました。

その後、アメリカンリーグのオリオールズに移籍した1966年に打率3割1分6厘、ホームラン49本、122打点で三冠王に輝く活躍を見せて両リーグでのMVP受賞を果たしました。

大谷選手がことしナショナルリーグのMVPを受賞すれば、58年前のロビンソンさんと同じく移籍1年目の30歳で大リーグ史上2人目の両リーグでのMVP受賞となります。

オリオールズではロビンソンさんの功績をたたえて現役中に背番号「20」が永久欠番になり、その後ロビンソンさんはドジャースにも1シーズン所属するなど40歳まで現役を続けて大リーグ歴代10位の通算ホームラン586本を記録しました。

キャリアの終盤には当時のインディアンズで選手兼任の監督も務め、アフリカ系アメリカ人では大リーグで初めての監督となりました。

そして、1982年にアメリカ野球殿堂入りを果たし、2019年に83歳で亡くなりました。

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