フィギュアスケートのグランプリシリーズ第4戦、NHK杯は8日から3日間、東京 渋谷の代々木第一体育館で行われます。
1年3か月後のミラノ・コルティナダンペッツォオリンピックの、プレシーズンにおける現在地を確かめる重要な一戦で、開幕前日の7日は選手たちが会場で調整を行いました。
このうち北京オリンピックの男子シングルで銀メダルの鍵山選手は、NHK杯がシリーズ初戦で、練習ではショートプログラムの曲に合わせて、4回転2本を含む3つのジャンプをすべて着氷していました。
また、現時点では構成に入れないものの習得を目指す、高難度の4回転ルッツも跳んで着氷するなど状態のよさを見せていました。
一方、北京大会の女子シングルで銅メダルの坂本選手は、第2戦で優勝しながらミスしたジャンプを重点的に修正してきたということで、7日は3回転ルッツの踏み切りを繰り返していました。
さらに、三浦璃来選手と、木原龍一選手の“りくりゅうペア”も、日本ではおよそ1年7か月ぶりとなる演技に向けて調整しました。
NHK杯は8日、男女シングルとペアのショートプログラムと、アイスダンスのリズムダンスが行われます。
鍵山優真「自分の120%の力を出す」
鍵山優真選手は「練習での状態はすごくいい。ジャンプがしっかり着氷できているのであすからが楽しみだ。かなり体を追い込んできたので、ここまでの過程をしっかりと信じて滑ることができたらいいと思う」と話しました。
そのうえで具体的な目標について「ショートプログラムでは100点、フリーは200点、そして、自己ベストももちろんねらっていきたい。自分にとってはグランプリシリーズの初戦でもあり、来年のオリンピックに向けたスタートでもあると思うので、しっかりと自分の120%の力を出すことができるように頑張りたい」と意気込んでいました。
“りくりゅう”木原龍一「不安なく試合に臨める」
“りくりゅう”ペアの三浦璃来選手は「氷がすごく滑りやすい。アメリカ大会が終わってから試合で取りこぼした部分を重点的に取り組み、いい練習も積めてきたので、あすから頑張りたい。プログラムもがらりと変わったので、久しぶりに日本のファンの皆さんの前で滑ることを楽しみにしている」と話しました。
また、木原龍一選手は「久しぶりの日本での試合だが、時差がある中でしっかり調整できていて体の動きもいいので、不安なく試合に臨める。ショートプログラム、フリーともにとても特徴的な振り付けが多いので、そういった部分をしっかりと演じきりたい」と話していました。
そのうえでシリーズの上位選手で競うグランプリファイナルへの進出がかかることについて木原選手は「ファイナルがかかっているかもしれないが、しっかりと自分たちのやることをやって先を見すぎず、まずは目の前にあることをクリアしていきたい」と冷静に話していました。
三浦佳生「いつも以上に結果を いい順位を目指したい」
三浦佳生選手は「左足のけがでトーループをしばらくやっていなかったので、きょうの練習で確認したが、痛みがなかったのが収穫だ。アメリカ大会では、回転不足やスピンの取りこぼしがあったが、それがなければ100点はいくので、できることを一つ一つクリアしていきたい」と集中した表情で話していました。
そのうえで、今大会の目標について、「グランプリファイナル進出しか頭にないが、初戦のアメリカ大会が3位だったので、いつも以上に結果を求めたい。ただ、やることは変わらないので、自分のできることをやって、いい順位を目指したい」と話していました。
壷井達也「観客の皆さんに何か訴えるものを届けたい」
壷井達也選手は「きょうも非常に感触のいい練習ができたし、あすの試合に向けて、ここ1か月で最善の準備ができた」と自信に満ちた表情で話しました。
そして「自分の持ち味はジャンプの質のよさと、次への流れのよさなので、すべてのジャンプを完璧に決めて、演技の最後の滑りで観客の皆さんに自分のすべてを見せて何か訴えるものを届けたい」と話していました。
坂本花織「日本の観客の前で応援を力に変えて頑張りたい」
坂本花織選手は練習後、「ジャンプが成功していても、不安やしっくりこないところがあり、その不安を取り除く作業をやってきている。ちょっとずつ改善されてきたので、それをしっかり発揮したい。カナダ大会よりも体の動きがいいと思うので、いい演技で終わりたいというのが一番」と話しました。
そのうえで、「グランプリファイナル出場を目指しているので、表彰台には確実に乗りたいという気持ち。そうすることで、全日本選手権に向けて勢いに乗れると思うし、このNHK杯が大事なきっかけになるので、思う存分滑りたい。NHK杯は、日本の観客の前なのでシリーズの中で唯一、緊張する試合だ。ただ、『日本の大会っていいな』と思って滑っているので、応援を力に変えて頑張りたい」と話していました。
千葉百音「ノーミスで今の自分の最高到達点まで」
千葉百音選手は「全体的にジャンプをバランスよく練習できた。氷と自分の足元をしっかりと密着して合わせるために、いつもよりスケーティングをより意識して、曲をかけた練習でも、きちんと大きいスケーティングを意識できた。きのうはおぼつかなかったが、きょうは踏ん張れた」と充実した表情で話しました。
そのうえで、「前の試合ではジャンプの回転不足をかなり指摘されてしまったので、今回は指摘されないように、きちんと降りたい。“どの順位に”ということは、いったん置いて、ノーミスでショートプログラム、フリーともに演技をして、今の自分が行ける最高到達点まで行ってみようという気持ちでやりたい」と話していました。
青木祐奈「自分のスケートをしっかりと見せられれば」
青木祐奈選手は「アメリカ大会が終わってから、少し気持ちが落ち込んでいた部分があったが、今は整ったなと思うし、きょうの練習もしっかりと体が動いてできた。去年のNHK杯では引退を考えていたので、最後の国際大会を楽しもうと思っていたが、ことしは、去年の結果がよかった分、去年を超えるという目標があるので、しっかり自己ベストを出せるように臨みたい」と話しました。
そのうえで、「NHK杯は、たくさんの人に見ていただける機会なので、ショートプログラムでもフリーでもジャンプを決めて、自分のスケートをしっかりと見せられれば」と笑顔で話していました。
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