プロ野球2軍公式戦への参入初年度を振り返るオイシックスの池田拓史球団社長(右)と橋上秀樹監督=新潟市中央区のハードオフエコスタジアムで2024年11月5日午前11時49分、神崎修一撮影

 2024年度からプロ野球2軍公式戦に加わったオイシックス新潟アルビレックスBCは5日、新潟市内で今季の総括記者会見を開いた。池田拓史球団社長は1試合平均入場者数が巨人、日本ハムに続くリーグ3位の1247人だったと報告。橋上秀樹監督はチームが最下位(8位)に沈んだことから、さらなるレベルアップが必要との考えを示した。

 オイシックスは新潟を拠点に今季から日本野球機構(NPB)の2軍イースタン・リーグに参入した。球団は①黒字経営②2軍戦平均入場者数1位③勝率4割④NPBへ5人以上の選手輩出――の四つの目標を掲げ、初年度を戦った。

 集客面では健闘した。球団によると、ハードオフエコスタジアム(新潟市中央区)などで開催した主催64試合の入場者数は7万9825人に上り、1試合平均は巨人、日本ハムに続くリーグ3位の1247人だった。目標(1800人)にこそ届かなかったが、2年目以降に期待を抱かせる数字となった。

 池田氏は「順位は8位だったが、日に日にスタジアムの熱量は高まった。課題は見つかったが、未来に向けて一歩を踏み出せる貴重なシーズンとなった」と今季の戦いを振り返った。球団の経営収支については「持続可能な球団経営に向け、土台を構築できればと取り組んできた。1年目から黒字が確保できるよう、もがいているところだ」と説明した。

今季ホーム最終戦を終え、サポーターらと記念撮影するオイシックスの選手たち=オイシックス新潟アルビレックスBC提供

 一方で課題も浮き彫りになった。チーム成績は41勝79敗6分けで最下位。既存12球団とのレベル差は大きく、勝率は3割4分2厘と、目標の4割に届かなかった。ただ主催試合に限ると33勝28敗3分けで5割を超え、地元のファンが喜ぶ試合も多かった。

 NPBへ5人以上の選手輩出という目標は届かなかった。10月のプロ野球新人選手選択会議(ドラフト会議)では、今季リーグ奪三振王の下川隼佑投手がヤクルトから育成3位で指名を受けたのみにとどまった。

 今季限りで退団する橋上監督は「もっと苦戦すると覚悟していたが、選手の対応力が向上した」と強調し、「来シーズンも同じではいけない。期待値以上のものを提供しないと、サポーターを失望させてしまう」と述べ、選手たちのレベルアップを促した。【神崎修一】

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。