大谷翔平 最終候補に
シルバースラッガー賞は「打撃のベストナイン」とも言われ、各球団の監督やコーチの投票でポジションごとに最も優れたバッターが表彰されます。
大リーグ機構は4日、今シーズンのシルバースラッガー賞の最終候補を発表し、大谷選手がナショナルリーグの指名打者部門で最終候補に選ばれました。
大谷選手はドジャースに移籍して1年目の今シーズン、打率3割1分、ホームラン54本、130打点といずれも自己最高の成績を残しました。
ホームランと打点でナショナルリーグの2冠に輝き、盗塁も59個をマークして大リーグ史上初の「ホームラン50本、50盗塁」を達成しました。
最終候補には大谷選手のほかにブレーブスのオズーナ選手も入りました。
オズーナ選手はドミニカ共和国出身の33歳で、2017年と2020年にシルバースラッガー賞を受賞している強打者です。今シーズンは打率3割2厘、ホームラン39本、104打点の成績をマークしましたが、いずれも大谷選手に及びませんでした。
日本選手では過去にイチローさんが2001年、2007年、それに2009年と3回受賞していて、大谷選手が受賞すればアメリカンリーグで受賞した去年に続いて2年連続3回目となり、ナショナルリーグでは初めてです。
また、日本選手ではカブスの鈴木誠也選手もナショナルリーグの外野手部門で、2年連続で最終候補に入りました。
大リーグ3年目の鈴木選手は今シーズン、打率2割8分3厘、ホームラン21本、73打点、自己最多の16盗塁の成績をマークし、最終候補の5人に入りました。
このうち3人が受賞する予定です。
受賞選手は11月12日、日本時間の13日に発表されます。
鈴木誠也のライバルは?
カブスの鈴木選手は脇腹のけがなどで30試合を欠場したものの、2年連続での最終候補入りとなりました。初めての受賞となるか、ナショナルリーグの外野手部門で最終候補に入った5人の成績を比較します。
1人目はドジャースのワールドシリーズ制覇にも貢献したテオスカー・ヘルナンデス選手です。32歳のヘルナンデス選手は今シーズン打率2割7分2厘、ホームラン33本、99打点の成績をあげ、ホームランと打点は5人の中でトップです。ブルージェイズ時代にアメリカンリーグの外野手部門で2回受賞していて、ナショナルリーグで初めての受賞を目指します。
続いてパドレスの新人、メリル選手です。21歳のメリル選手は打率2割9分2厘、ホームラン24本、90打点、16盗塁をマークし、選手間投票でのナショナルリーグの最優秀新人賞を受賞しました。
3人目はブルワーズの新人、チョリオ選手です。ベネズエラ出身のチョリオ選手は20歳と今回の最終候補では最年少で、大リーグデビュー前の去年、8年総額8200万ドルの大型契約を結んだことで大きな話題となりました。1年目から打率2割7分5厘、ホームラン21本、79打点の成績をあげ、盗塁も22個を決めました。
4人目はパドレスのプロファー選手です。プロファー選手はカリブ海のオランダ領キュラソー島出身の31歳で、レンジャーズで19歳の若さで大リーグデビューしたときはダルビッシュ有投手がチームメートでした。昨シーズンからはパドレスでプレーして再びダルビッシュ投手とチームメートになり、今シーズンは打率2割8分、ホームラン24本、85打点とホームランと打点で自己最高の成績をあげました。
この4人に打率2割8分3厘、ホームラン21本、73打点、自己最多の16盗塁の成績をマークした鈴木選手を加えた5人で受賞を争い、3人が選ばれます。
ホームランと打点ではドジャースのヘルナンデス選手の成績が突出しているものの、ほかの4人の成績はきっ抗しています。
また、大リーグで打者の能力を測る際に重視される指標のひとつで、出塁率と長打率をあわせた「OPS」では、鈴木選手が0.848、ヘルナンデス選手が0.840、プロファー選手が0.839、メリル選手が0.826、チョリオ選手が0.791で、鈴木選手がトップに立っていて、イチローさん、大谷選手に次ぐ日本選手3人目の選出が十分に期待できます。
ドジャースから5人が候補に
チーム別の表彰では、ナショナルリーグはドジャースとダイヤモンドバックス、アメリカンリーグはヤンキースとオリオールズのあわせて4球団が最終候補入りしました。
このうちドジャースからは30球団で最も多い5人が最終候補に入り、大谷選手に加えてファースト部門でフリーマン選手、ユーティリティー部門でベッツ選手が入り、「MVPトリオ」と呼ばれる3人がそろいました。
外野手部門ではリーグ6位のホームラン33本を打ったテオスカー・ヘルナンデス選手、キャッチャー部門ではスミス選手が入り、チームで規定打席に到達した5人全員が選ばれました。
また、ヤンキースはアメリカンリーグでトップに並ぶ4人が最終候補に入り、外野手部門でホームラン58本、144打点で2冠に輝いたジャッジ選手とリーグ3位のホームラン41本を打ったソト選手が選ばれました。
セカンド部門でトーレス選手、指名打者部門でスタントン選手がそれぞれ選ばれ、ワールドシリーズで両チームの打線を支えた選手たちが最終候補に顔をそろえました。
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