(秋季中国地区高校野球大会決勝 広島商6―3米子松蔭)

 今大会で初優勝し、20日から東京である明治神宮大会に出場して「日本一」になる――。新チームになって掲げた目標に向け、米子松蔭の主将、惣郷峻吏(そうごうしゅんり)選手(2年)は試合前、仲間たちに発破をかけた。「どんな相手でも自分たちはチャレンジャー。どんどん攻めていこう」

 2点を追う三回表。1点を返して2死一、二塁で打席に入った。「来た球を打つだけ」。初球、真ん中の直球を振り抜くと打球は中堅手の頭を越えた。三塁にすべり込み、右腕で大きくガッツポーズ。逆転の2点三塁打でベンチは沸き立った。

 1年春から内野手でレギュラーに定着。捕手で先発出場した今夏の鳥取大会決勝では、あとアウト一つが取れずに逆転サヨナラ負けを喫した。

 この日は捕手で先発し、同点とされた5回途中から投手としてマウンドに上がったが、勝ち越し点を許した。塩塚尚人監督に促され、約1カ月前から投手の練習を始めたという。

 今大会の準優勝で、米子商時代の1992年以来2度目となる来春の選抜大会出場に大きく前進した。「目標の日本一に向けて、冬にレベルアップしたい」。表情を引き締めて、そう誓った。(富田祥広)

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