雪崩事故が起きた「那須温泉ファミリースキー場」=栃木県那須町で2017年4月2日午前10時半、本社ヘリから

 栃木県高校体育連盟は、各競技で設置している専門部のうち「登山専門部」を、今年度から当面休止とすることを決めた。登山部のある学校の減少などが理由で、県高体連の専門部が休止となるのは初めて。今後は県高体連事務局が業務を引き継ぎ、各校の部活動への影響はないとしている。

 2017年3月、那須町の茶臼岳で、登山講習会中だった大田原高山岳部の生徒7人と教諭1人が、雪崩に巻き込まれ死亡した。この事故を受け、訓練を主管した登山専門部は21年7月、県高体連が主催する登山大会や講習会を行わないこととし、その後は大会の出場校選考や各校の情報共有の場作りなどに業務を限定していた。

 県高体連によると、登山部のある県内の高校は、17年度に22校だったのが、23年度は5校と減少した。競技としての登山を希望する生徒の減少や、登山の専門的知識や技術を持ち登山部の顧問となる教員が不足していることなどが要因とみている。高い安全性を担保しながらの部活動の運営が難しくなっていることも影響しているとみられる。

 登山専門部は、これまで業務を担っていた登山部の顧問が減少したことで、登山部のない高校で登山活動の経験がある教員らにもサポートに入ってもらっていたという。

 23年度の登山専門部長で、県立石橋高の新井聡校長は「休止は運営の維持が難しいと判断した結果だが、交流会や情報共有の会は今まで通り実施され、部活動も各校で行われる」と話した。【今里茉莉奈】

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