スペインサッカー1部リーグのレアル・マドリードは27日、観客がFCバルセロナとの伝統の一戦「クラシコ」でバルセロナの選手3人に人種差別発言をした疑いがあるとして調査を始めたと明らかにした。スペインのエルパイス紙が伝えた。レアル・マドリードの選手も過去に他のチームの観客から侮蔑発言を受けており、スタジアムにはびこる有色人種の選手への差別の根深さが改めて浮き彫りになった。
試合は26日夜にレアル・マドリードの本拠地サンティアゴ・ベルナベウ競技場であり、4対0でバルセロナが圧勝した。報道によると、差別的発言を受けたのは、バルセロナのヤマル、ラフィーニャ、アンス・ファティの3選手とされる。レアル・マドリードのファンとみられる観客が「クソ黒人」と侮蔑する動画などがネット交流サービス(SNS)に掲載された。ヤマルとアンス・ファティはアフリカにゆかりがある。ラフィーニャはブラジル代表だ。
レアル・マドリードは27日、「侮辱を深く遺憾に思う。卑劣な侮辱者を特定するため調査を開始した」と声明を出した。リーグも司法当局に連絡しており、バルセロナも対応を検討する。
対戦相手のファンに人種差別的な発言を受けたことがあるブラジル代表でレアル・マドリード所属のビニシウス選手はX(ツイッター)に「昨日ベルナベウで人種差別的な侮辱があったことは残念だ。(差別に遭った選手たちを)全力でサポートします」と投稿し、バルセロナの選手に連帯を示した。ビニシウス選手への人種差別発言を巡っては今年6月、対戦相手だったバレンシアのファン3人が憎悪犯罪(ヘイトクライム)で、禁錮8月やスタジアム入場を2年間禁止する内容を含む有罪判決を言い渡されている。【ブリュッセル岡大介】
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