福島県の内堀雅雄知事(右)から県民栄誉賞を贈られた橋本勝也選手(中央)とサプライズで登場した山崎恵子さん=福島市杉妻町の県庁で2024年10月25日、錦織祐一撮影

 福島県は25日、パリ・パラリンピック車いすラグビーで金メダルを獲得した日本代表で同県三春町出身の橋本勝也選手(22)=日興アセットマネジメント=に県民栄誉賞を贈った。橋本選手は「車いすラグビーを通して人生が変わったので、県民の皆さんにも、一歩を踏み出して外の世界を知ることの楽しさ、自分の可能性を広げる選択肢があるということを伝えていきたい」と述べた。

 橋本選手は先天性の四肢欠損で車いす生活を送り、中2の時に車いすラグビーに出合った。田村高1年で日本代表に入ったが、2021年東京大会では出場機会がなかった。パリ大会では主力に成長。チーム最多の79得点を挙げて初優勝に貢献した。

 県庁での表彰式では、内堀雅雄知事が賞状と記念品として大堀相馬焼の大皿の目録を贈った。サプライズで三春町立岩江小の担任だった山崎恵子さん(55)=福島市=が登場した。入学して最初の体育の授業でマット運動を眺めていた橋本選手に、「車いすから降りてできることをやろう」と声を掛けたという。

 13年ぶりに恩師と再会した橋本選手は「体を動かすことの楽しさを教わった。あれがなければ今の自分はなかった」と感謝。山崎さんは「体も心も大きくなって感動です」と感慨深げに旧交を温めた。

 県民栄誉賞は、17日に死去した俳優、西田敏行さんが18年に受賞して以来5人目。登山家の故・田部井淳子さんらに贈られている。【錦織祐一】

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