(20日、高校野球秋季近畿大会1回戦 東洋大姫路9―0龍谷大平安)
初戦から龍谷大平安(京都)との強豪校対決。東洋大姫路(兵庫)のエース阪下漣(れん)(2年)は序盤、自慢の真っすぐの制球が定まらなかった。そこで、夏までは苦手としていた変化球に頼ることにした。
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三回2死一、三塁のピンチでは、直球にカットボールを織り交ぜて見逃し三振に。六回2死では、左打者を内角へのカットボールで空振り三振に仕留めた。「課題の左打者を三振にできたのは成長だと思う」
秋季兵庫大会の地区予選で、帰塁の際に右手首を骨折した。焦ってもおかしくないが、リハビリ期間を有効活用しようと、苦手だった変化球の研究に時間を充てることにした。
練習に復帰するまでの1カ月弱の間、色々なプロ野球選手の変化球の動画をひたすら見た。「軌道を見て、イメージトレーニングをした」
特に参考にしたのが、西武ライオンズの高橋光成のカットボールだ。球筋を目に焼き付け、投げられるようになってからはシート打撃での登板などで軌道を確認した。
この日生きたのが、そのカットボールだった。7回を被安打4、無失点に抑え、7回コールド勝ち。好投は、ケガの功名だった。
いまのチームは、履正社(大阪)の監督として19年夏に全国優勝、春も準優勝2度に導き、22年4月に母校である東洋大姫路に戻ってきた岡田龍生監督(63)の下で野球がやりたいと集まった選手が多い。阪下も、その一人だ。
「高いレベルで、自分がどれだけ通用するのか挑戦したかった」と話す。もちろん「高校生ならではの夢の舞台」と甲子園が目標だ。
来春の選抜大会で、近畿地区の一般選考枠は「6」。次戦で勝てば近畿4強となり、その選抜出場に大きく近づく。(大坂尚子)
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