○DeNA2―1巨人●(18日・東京ドーム)
終わってみれば本拠地に響いた大歓声は、むしろ長いトンネルを抜け出してほしいとのスタンドの願いに聞こえた。二回に4番・岡本和真が先制ソロを放ち、一度はファンを沸かせた巨人。だが、その後は打線が沈黙し、逆転負けで崖っぷちに立たされた。
レギュラーシーズンに中軸で活躍した吉川尚輝をけがで欠き、3試合でわずか2得点。深刻な得点力不足に悩まされている。この日は12年前の日本一を知るベテランの長野久義を1番に据え、レギュラーシーズンは1番が定位置だった丸佳浩を3番に動かす打線のてこ入れを図った。しかし、不発に終わった。
阿部慎之助監督は前夜に「何とかみんなで打破しないといけない」と語っていた。だが、相手の継投の前に10三振を奪われ、このうち6個が見逃し。大舞台の重圧からか、阿部監督が大切にする「なんとかしてやろうという姿」よりも、消極的な打席が目立った。
ここまでチームの全得点を挙げている岡本は「まだ決まったわけじゃない。最後まで何があるか分からないので頑張りたい」。そう言い残して球場を後にした。阿部監督は「何とか粘っていたけどね……。あとは意地を見ましょう」。たった15秒で記者会見を切り上げた指揮官のひと言は、選手にどう響くか。【川村咲平】
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