(17日、プロ野球クライマックスシリーズ最終ステージ 福岡ソフトバンクホークス7―2北海道日本ハムファイターズ)

 ソフトバンクの山川はこう言ったことがある。「求められているのは本塁打。ここぞの一本だと思う」。そんな4番打者の真骨頂は五回にやってきた。

 2死走者なし。一発を狙っていい場面だ。フルカウントからの6球目。真ん中低めにきた127㌔のチェンジアップを振り抜いた。

 「バットの先だったけど、しっかりと自分のスイングができた」。リードを3点に広げるアーチを左翼テラス席に届けた。

 今季は34本塁打、99打点で2冠に輝いたが、満足はしていない。リーグ最終戦からクライマックスシリーズ(CS)の初戦まで11日間も日程が空くため、実戦感覚を維持しようと、宮崎でのフェニックスリーグ出場を志願した。

 「たくさん走って、汗もいっぱいかきました」。打撃練習のほか、独自のランニングメニューで体の切れを取り戻し、短期決戦への準備を整えた。16日の初戦で本塁打を放ち、気持ちも乗った。

 一回に同点の左前適時打を放ち、七回には2打席連続のソロを左中間テラス席に放り込んだ。4番の3打点の活躍で、ソフトバンクが4年ぶりの日本シリーズ進出に王手をかけた。(鷹見正之)

 小久保監督(ソ) 日本シリーズ進出に王手。「一気にいきたい。まずは先発が試合をつくることが必須条件。(先発の)スチュワートに期待したい」

 日本ハムは2桁安打を放ちながら、前日に続き2得点にとどまった。悔やまれるのは2点を追う五回の攻撃だ。2死満塁とモイネロを攻め立てたが、4番レイエスが遊ゴロに倒れ、反撃ムードは霧散。3本塁打を放ったソフトバンク打線に圧倒された。「下克上」で日本シリーズ出場を目標に掲げてきた新庄監督は広報を通して「ただただ明日は全員で勝ちにいくだけ」とコメントした。

 加藤貴(日) 二回途中4失点で敗戦投手に。「大事な一戦でふがいない投球をしてしまい、チームに申し訳ない」

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