大リーグは13日(日本時間14日)、ナショナル・リーグ優勝決定シリーズ(7回戦制)の第1戦が行われた。本拠にメッツを迎えたドジャースの大谷翔平は「1番・指名打者(DH)」で出場し、4打数2安打1打点の活躍で、チームの9―0の大勝に貢献した。ドジャースは、パドレスとの地区シリーズ第3戦の二回に6失点したのを最後に、33イニング連続無失点。オリオールズが1966年にマークしたポストシーズン最長記録に並んだ。先発したメッツの千賀滉大は二回途中で降板した。2安打4四球3失点と乱れ、敗戦投手になった。

 ヤンキースとガーディアンズの顔合わせで行われるアメリカン・リーグの優勝決定シリーズは、14日(同15日)に開幕する。

  • 大谷翔平が変化球を空振りしたわけ ダルビッシュ有が謝った4・14の打席

 インパクトの瞬間、他の打者とは明らかに違う乾いた音が響く。ドジャースの大谷翔平が、傑出したパワーを見せた。

 二回1死二塁の第2打席。カットボールを捉え、時速102.4マイル(約164.8キロ)の打球で、一、二塁間を破る。チーム3点目となるこの適時打で、メッツ千賀を早々と降板させた。

 四回1死一塁の第3打席が圧巻だった。緩いカーブを振り抜くと、打球があっという間に右中間フェンスに直撃した。「弾道が低かったので、(外野手の頭を)越えてくれないかな、と思っていた。いい打撃だった」。自賛の当たりで、一塁走者を本塁に迎え入れた(記録は単打と失策)。

 打球速度は116.5マイル(約187.5キロ)。今季の大リーグで、これ以上の速さの打球を記録したのは、大谷自身を含めて14人だけ。

 メッツでは、主砲アロンソの116.3マイル(約187.2キロ)が今季最速だった。つまり、相手チームが1年間に放ったどの打球よりも鋭い一打を、初戦でお見舞いした。

 凡退した第4打席もフェンス間際まで達する中飛で、打球速度は103.1マイル(約165.9キロ)。両チームには、大リーグのスターがそろっているが、この試合で打球速度のトップ3は大谷が独占した。

 「ファンの歓声がすごくて、より打席に集中できる環境だった」と大谷。パドレスとの地区シリーズではボール球を追いかけ、20打数で10三振と苦しんだが、この日は空振りゼロ。どうやら、もう心配はいらなそうだ。(ロサンゼルス=安藤仙一朗)

 メッツの千賀滉大は大きく乱れた。

 一回は先頭の大谷翔平を二ゴロに仕留めたが、2番ベッツから3連続四球。2死としたものの6番マンシーに中前打を浴びて2点の先制を許した。二回に入っても立ち直れず。先頭への四球をきっかけに1死二塁とされ、大谷に右前へ運ばれて1点を失ったところで降板となった。

 メジャー1年目の昨季は12勝を挙げたが、今季は右肩のけがなどでレギュラーシーズン中の登板はわずか1試合。地区シリーズに続き、このシリーズでも大事な初戦の先発を任されたが、期待に応えられなかった。試合直前に感じた投球フォームの違和感を修正しきれなかったという。「悔しいし、情けない」(ロサンゼルス=高橋健人)

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