【日本ハム-ロッテ】十回裏日本ハム2死一、三塁、サヨナラ打を放ち喜ぶ浅間大基(左端)ら=エスコンフィールド北海道で2024年10月13日、貝塚太一撮影

○日本ハム3―2ロッテ●(13日・エスコンフィールド北海道)

 試合後、報道陣の前に姿を現した日本ハムの新庄剛志監督は「何ですか、このチームは。感動させすぎでしょ」と声を絞り出した。クライマックスシリーズ敗退目前からの劇的なサヨナラ勝ちだ。その陰には裏方をも巻き込んだ新庄監督の采配があった。

 同点の延長十回。2死から松本剛の四球、清宮幸太郎の中前打で一、三塁とした。そして、途中出場の浅間大基がボールにも見える高めの球を振り抜き、サヨナラの右前適時打とした。ベンチから飛び出して来た仲間と抱き合って喜んだ浅間は試合後、「打った瞬間、音が消えた」。大歓声すら聞こえないほど興奮していた。

【日本ハム-ロッテ】十回裏日本ハム2死一、三塁、サヨナラ打を放ち、声をあげる浅間大基=エスコンフィールド北海道で2024年10月13日、貝塚太一撮影

 序盤から拙攻続きの苦しい展開。だが、1―2の九回1死から「下心むんむん。本塁打しか狙っていなかった」という万波中正が特大の左中間ソロを放って追い付いた。ベンチの首脳陣は皆、涙ぐんでいたという。

 投げては、本来は先発の山崎福也を八回から3番手として救援で投入。3イニングを投げ、ロッテ打線を最後まで無安打に抑えた。

 無得点で敗れた前日の試合から大幅に打順が変更された。新庄監督によると、発案者は首脳陣ではなく、裏方の岸七百樹チーフマネジャーだった。

 「チームが一つになり、全員で戦おうと。(岸チーフマネジャーは)何十年もファイターズを見てきて、全てを知っている人間なので(頼んだ)。めちゃくちゃ勇気はいったけど」と新庄監督。その結果は「今年を象徴する勝ち方」という最高の形となった。【岸本悠】

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。