(13日、秋季高校野球大阪大会3位決定戦 大阪学院大10―8近大付)
攻守で要を担う1年生の活躍で、大阪学院大が26年ぶり3度目となる近畿大会への切符をつかんだ。
「4番・捕手」の樋爪(といづめ)信は一回からバットでみせた。1死一、二塁で中前に転がして先制打。四回にも適時打、延長タイブレークの十一回にはだめ押しのタイムリーを放ち、3安打4打点と打ちまくった。
一番の魅力は、恵まれた体格から繰り出すフルスイングだ。身長182センチ、体重86キロで「ご飯はラーメンのどんぶりで食べていた」という。早稲田摂陵との準々決勝では九回に左翼席へ豪快なアーチをかけた。
長崎県佐世保市出身。中学まで軟式野球の経験しかない。
高校からは、強豪がひしめく関西で勝負すると決めた。大阪学院大を選んだのは「施設が充実していてうまくなれると思ったから」。硬式野球はまだ半年ほどで、「最初はボールの縫い目に対して指のかかり方が難しかった」と守備面での苦労を振り返る。打撃では「ボールにバットを乗せる感覚がわかってきた」と自信がついていた。
準決勝は大阪桐蔭に0―3で完封負けを喫した。自身も4打数無安打に終わり、その悔しさをこの日の大事な一戦で晴らした。
スタメンは9人中7人が1年生。発展途上の下級生が引っ張る新チームの躍進について、辻盛英一監督は「この大会中の1年生の成長が、思っていたよりすごかったですね。全員めちゃくちゃうまくなった」とうなずく。
決勝に進んだ大阪桐蔭、履正社に続く、3番目の大阪代表として近畿大会に臨む。チームは今春の府大会で、この「大阪2強」を破った実績がある。ただ、「自分たちはチャレンジャー」と樋爪に慢心はない。
「近畿大会で大阪桐蔭さんと試合がしたい。(春の)甲子園を決めつつ、桐蔭さんに勝ちたい」
伸びしろの計り知れない選手たちが、1996年以来となる選抜大会を視界に捉えた。(室田賢)
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