パリ五輪のバレーボール男子1次リーグ・米国戦でスパイクを決め喜ぶ西田有志選手(左)と高橋藍選手=パリ南アリーナで2024年8月2日、長澤凜太郎撮影

 バレーボールの新しい国内トップリーグ「SVリーグ」は11日夜、サントリー対大阪ブルテオンの一戦で幕を開ける。サントリーは高橋藍選手(23)、大阪Bは西田有志選手(24)らパリ・オリンピックに出場した選手がずらりと顔を並べる。東京体育館で行われる記念すべきオープニングマッチで、注目のスターたちが火花を散らす。

「記憶に残るような試合に」

 ともに男子日本代表を引っ張ってきた西田選手との直接対決を間近に控え、高橋藍選手は胸を高鳴らせていた。

 「西田選手のサーブは味方ならすごく心強いが、相手になると脅威。いかに耐えられるか、怖さもあるが、ワクワク感もあります。互いの好きなコースや特徴も知っているので、その駆け引きも面白いと思います。西田選手が相手チームにいるのは新鮮ですね」

 対する西田選手は「(高橋藍選手との対戦は)すごく楽しみ。開幕までにより良いサーブを打てるよう準備していきたい。常に点を取れるオプションは自分の中で持っておきたい」と応戦した。

 「黄金カード」となった開幕戦には、今夏のパリ五輪を沸かせた選手が勢ぞろいする。

 サントリーは高橋藍選手に加え、ミドルブロッカー(MB)の小野寺太志選手(28)が所属。大阪BにはMB山内晶大選手(30)とリベロ山本智大選手(29)が在籍する。日本代表のB代表で活動する有望な若手選手も複数人、控えている。

 外国人選手の顔ぶれも豪華だ。サントリーには今季、ポーランド代表でパリ五輪銀メダルのアレクサンデル・シリフカ選手(29)が新加入。大阪Bは、米国代表でパリ五輪銅メダルのトーマス・ジェスキー選手(31)が今季もプレーする。

 パリ五輪の日本代表の活躍で、バレー熱はかつてないほどに高まっている。SVリーグの顔として多くの注目を浴びる西田選手も、「ここまで多くの方に注目してもらえることは今までになかった」と驚きを隠さない。

 だが、同時に危機感も口にした。

 「2019年のワールドカップや東京五輪後も注目はされていたが、継続できなかったから現状につながっていると思う。2度も3度も同じことを起こさないよう、一人一人が危機感を持ち、どうやって(ファンを)とりこにしていくかにフォーカスしていきたい」

 地上波で生中継される開幕戦も、その絶好の機会だと捉えている。

 「自分と高橋藍選手の対決で注目してもらっているところで、どうやってバレーを広めるか。見ている方に楽しんでもらえる内容にするのがまず大前提。全員で楽しんで、記憶に残るような試合にできれば」と意気込んだ。

 高橋藍選手も同様の思いを語る。

 「もちろんお互い勝つために戦いますが、このような機会を作っていただいたので、レベルが高く面白いバレーを展開して、試合もSVリーグも盛り上げたい」

 30年に「世界最高峰のリーグ」を目指しているSVリーグ。その「顔」同士がぶつかり合う一戦を、輝かしい歴史の出発点にできるか。【玉井滉大】

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