これは9日、楽天モバイルパーク宮城で行われた今シーズンの最終戦のあとに、奥村剛社長が発表しました。

新監督に就任する西口氏は和歌山県出身の52歳。立正大からドラフト3位で西武に入団し、現役時代はキレのあるスライダーを武器に長年先発の柱として活躍し通算182勝を挙げ、沢村賞や最多勝など数々のタイトルを獲得しました。

2015年に現役を引退したあとは、ピッチングコーチなどを歴任し、おととしのシーズンから2軍の監督を務めています。

西武は今シーズン、開幕直後から不振で、5月には松井稼頭央監督が休養して、渡辺久信ゼネラルマネージャーが監督代行を兼務しチームの指揮を執りましたが、チーム状態は上がらず、2021年以来の最下位となりました。

奥村社長は、西口氏に要請した理由について「2軍監督としての3年間の実績と現状のチーム状況や戦力、課題などを認識しており、何よりライオンズ一筋の強いライオンズ愛を持って再建していただける点などを考慮した」と説明しました。

渡辺GM兼監督代行 退団へ「けじめをつけるとき」

また球団は、渡辺監督代行がゼネラルマネージャーの職も退任し、休養中だった松井監督とともに、ことしいっぱいで退団することを明らかにしました。

渡辺ゼネラルマネージャー兼監督代行は、シーズン最終戦のあと取材に応じ、退団する理由について「なんとかこのチームを浮上させたいと思って頑張ってきたが、こういう結果になってしまった。自分はGMを兼任しているし、今いる選手のほとんどの選手の獲得にも携わっているというところで、この責任を自分の中でしっかり受け止めて、けじめをつけるときだと思い、球団に退団を申し入れた」と説明しました。

新監督に就任する西口氏については「彼は生え抜きでずっと西武の中でやってきて、引退してからも台湾や韓国やアメリカの野球を臨時コーチとして見て、指導者としてのスキルも上がってきている。彼は勝負師だと思っているし、思い切ってさい配にふるってほしい」と期待を寄せていました。

そして、みずからの今後については「41年間プロの世界で戦い続けてきたので、ゆっくりする。いちばん苦労をかけた妻にゆっくりしてもらおうかな。1週間に1回くらいは食事でも作りましょうか」と笑いを誘いながら、穏やかな表情で話していました。

今季の負け数は球団創設以来ワーストを更新

西武は、9日に行われた楽天戦で引き分け、49勝91敗3引き分けでシーズンを終えました。

負けの数は1950年の球団創設以来ワーストを更新し、球団の歴史に残る低迷に苦しんだシーズンとなりました。

今シーズンの西武は、開幕から3カード連続で勝ち越したものの、その後7連敗を喫するなどして最下位に沈みました。

打開策として交流戦前に休養に入った松井稼頭央監督に代わって渡辺久信ゼネラルマネージャーが監督代行を兼務してチームの指揮を執りましたが、最後まで状態は上向きませんでした。

最大の要因は、極度の打撃不振です。

FA権を行使してソフトバンクに移籍した山川穂高選手に代わる主軸として、球団は大リーグ通算114ホームランのアギラー選手と通算27ホームランのコルデロ選手の2人を獲得しました。

しかし、アギラー選手はシーズン途中にけがの手術のため離脱し、コルデロ選手は日本投手の変化球に対応できず、73打席で24三振と期待に応えることができませんでした。

チームのホームラン数60本は優勝したソフトバンクの114本のおよそ半分で、球団でも歴代最低の数字となり、チーム打率2割1分2厘はパ・リーグの歴代最低の数字となりました。

投手では、ルーキーの武内夏暉投手が10勝をあげるなど、先発陣の奮闘は目立ったものの、エースとしての活躍が期待された高橋光成投手が0勝11敗と最後まで勝ちをあげられず、チームの成績に大きく影響しました。

対戦相手別では、ロッテ戦で開幕から16連敗を喫するなど最後まで悪い流れを止められず、最終的に4勝21敗と大きく負け越しました。

球団史上に残る低迷に苦しんだチームは、今後、西口新監督のもとで投打に立て直しが行われることになります。

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