佐賀とのクロスゲームを落として手痛い結果に

4月27日、28日にウィングアリーナ刈谷で行われた佐賀バルーナーズとのゲーム。シーホース三河はGAME1を73-65で勝利したが、GAME2は79-89で敗戦。CS出場を目指す三河にとっては厳しい結果となった。

佐賀との2試合はどちらも終盤までもつれたクロスゲームで、GAME1は勝負所でエースの西田優大、大黒柱のダバンテ・ガードナーが得点を重ねて、三河が73-65で競り勝つ。

GAME2は佐賀に50%という高確率で3Pシュートを決められてしまい、さらにリバウンドの本数やフリースローの成功率など、細かな部分が最終的な差となってしまった。

終盤はファウルゲームに持ち込んだ影響もあるが、「ディフェンスから始めるチーム」を掲げる持つ三河にとって、やはり89失点はいただけない。負けられないプレッシャーが影響した部分もあるだろう。試合後、ライアン・リッチマンHCは「集中力や細かい点でのクオリティが、勝つレベルではなかった」と悔やんだ。

この日、15得点を上げてチームを引っ張った長野誠史も「重要な試合と分かっていましたし、2勝しなければいけないゲーム。今日は1Qで相手に29点を許してしまい、やられすぎた感があります。カムバックできていた部分もありましたけど、全体を通してリバウンドで押されていて、自分たちのポゼッションを増やせれば違った展開になったのかなと思います」とGAME2を振り返る。

佐賀との2試合を終えて、これで三河のCS出場は最終節の結果次第となった。幸いなことに、三河は自分たちの力でCS出場を決められる。2勝すればライバルチームの勝敗は関係なく、中地区2位でレギュラーシーズンをフィニッシュできるのだ。

リッチマンHCは必勝を誓う。「(最終節に向けて選手たちに伝えたいことは)特に変わりません。自分たちのやってきたことを継続し、改善し続けることです。ただ、忘れてはいけないのは、運命をコントロールできる立場にいること。2勝すればCSに出場できます。これは自分たちでコントロールできる部分です。これまでもタフな状況、ハードな状況と向かい合ってきました。それを忘れないで最終節に臨みたいと思います」


長野誠史「どれだけ勝ちたいか。最後は気持ち」

最終節の相手は中地区優勝を決めた三遠ネオフェニックス。リーグ最高の得点力を誇る三遠を相手に、用意したチームディフェンスを遂行できるか、そこが一つの鍵となるだろう。今シーズン、三遠との試合は94-87、83-102で1勝1敗。どちらもハイスコアゲームとなっている。三遠のハイテンポなバスケに付き合うのか、それともロースコアの展開を目指して組み立てるのか。リッチマンHCのプランが気になるところだ。

プレイヤーでキーマンとなりそうなのが、ポイントガードの長野だろう。佐賀とのGAME2でポイントガードの久保田義章が負傷で途中交代。ケガの状態は分からないが、欠場を余儀なくされる可能性もある。

シーズン中に負った右尺骨茎状突起骨折から復帰後、長野は目覚ましい活躍を見せている。以前、リッチマンHCは長野を「チームにとってエンジンであり、ハートのような存在」と評価していた。ディフェンスはハードワークを欠かさず、オフェンスでもハンドラーとしてプレーする場面が増え、平均アシスト数はチームトップ。

エースは西田優大、スコアラーはダバンテ・ガードナーかもしれないが、今の三河を引っ張っているのは間違いなく長野誠史だ。そんな長野は「最後は気持ち」と話す。

「試合後、ザック(オーガスト)がコート上で選手を集めて、『バラバラになるのはダメだよ。今こそまとまろう』と言ってくれました。本当にその通りで、来週に向けてみんなフォーカスできていると思います。簡単な相手じゃありませんし、戦術の部分もありますけど、最後はどれだけCSに出たいか、勝ちたいか。気持ち次第だと思います。強い気持ちを持ってやり切るだけです」

おそらく負ければ終わりの最終節。Bリーグが発足後、三河はこうした「最終節でCS出場を決められる」状況を過去に2度、経験してきた。そして、そのチャレンジはいずれも失敗に終わっている。当時の悔しさを知るスタッフや選手もおり、その経験を生かさないわけにはいかない。

リッチマン体制になって1年目のシーズン。その最終節に待ち受けるのは、最高の結果か、それとも悲しい結末か。三河にとっては、最後にして最大のチャレンジ。ここまでの戦い、その集大成を披露するときがまもなくやってくる。

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