○阪神1―0巨人●(22日・甲子園)
無死満塁の絶体絶命のピンチを力勝負でしのいだ。首位攻防2連戦の初戦。1点勝負の天王山で阪神のエース・才木浩人が7回無失点、95球の粘りの投球をした。
1点リードの六回、先頭の2番・浅野翔吾に二塁打を浴び、そこから2連続四球で満塁の窮地に立たされた。しかし、ここで才木は「逃げない」と誓い、捕手・梅野隆太郎は「押し切る」と考えた。ともに強く気持ちを持った。何で押し切るか。189センチの長身から投げ下ろす、持ち味の直球で攻めた。
5番・長野久義に対し、梅野がミットを構えた内角に投げ込み、自ら捕球するどん詰まりの投飛に。続く坂本勇人も力のない二飛に打ち取った。最後は代打・大城卓三を150キロ直球で差し込んで中飛に抑えた。
巨人の拙攻と言えなくもないが、裏を返せば岡田彰布監督が「才木が力でねじ伏せた」と振り返るように、強気の投球が相手を上回った。
昨季の8勝がシーズン最多だった才木は今季、先発投手陣の軸として勝ちを計算できる投手へと飛躍し、岡田監督が「今日は大事な試合だと分かっている」という大一番で13勝目を挙げた。試合後、報道陣に堂々と岡田監督のものまねをしながら「おん。お疲れさん」とねぎらいの言葉をかけられたことを明かした。頼もしい虎のエースだ。【荻野公一】
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