プロ野球・巨人

 ○巨人6―3中日●(15日・東京ドーム)

 チームを救うのは、やはり頼れる4番の一振りだった。巨人の岡本和真が六回に勝ち越しソロを放った。

 最大3点あったリードを追いつかれた直後の六回だった。「なんとか塁に出ないといけない」と先頭打者で打席に。2ボールから、真ん中高めに抜けた変化球を完璧に捉えた。

 力感のないスイングとは対照的に、打球はどこまでも伸びていった。レフトスタンド最上段のさらに上、看板直撃の大飛球は、チームの勝利をたぐり寄せる意味でも非常に大きかった。

 ヤクルトに敗れた前夜は、3点を追う七回に好機の場面で見逃し三振に倒れた。最後は際どいボールがストライク判定。打席を離れた直後に球審とにらみ合うような場面が見られ、心にもやもやを抱えていた。

 打席で生まれた悔しさは、打席の中できっちり返した。うっぷんを晴らすかのような特大の一発に「打てて良かった」と言葉少なに喜んだ。

 残り13試合で混戦のリーグの首位に立つが、2位の阪神も勝利し、2ゲーム差のまま。優勝争いの行方は気が抜けない状況が続く。「僕らもそういう(どきどきした)気持ちでやってます。勝てばいいだけ」と語るキャプテンの頼もしい打撃が、4年ぶりの頂点へと押し上げる。【川村咲平】

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。