東日本体重別で85キロ未満級決勝を戦う日体大の奥知久選手(左)と日大の熊谷颯天選手=東京都千代田区の靖国神社相撲場で2024年7月28日午前10時38分、大村健一撮影

 学生相撲の体重別王者を決める「第49回全国学生相撲個人体重別選手権大会」(毎日新聞社、日本学生相撲連盟主催)が14日正午から、堺市堺区の大浜公園相撲場で開かれる。75キロ未満級から無差別級まで計8階級に、東西の体重別大会を勝ち抜いた各16人が出場。毎日新聞デジタルの特設サイトでライブ配信される各階級の見どころは。【大村健一】

85キロ未満級は「世界」知る選手も

 65キロ未満級が出場選手の減少により廃止され、今年から最軽量級となった75キロ未満級。東の予選にあたる7月の東日本体重別選手権(東日本)は日大勢が好調で、清宮健史選手が初優勝、山城希友斗選手が準優勝している。同月の西日本体重別選手権(西日本)を制した山田祥暉選手(朝日大)や、おととしの本大会で準優勝の松永颯斗選手(愛知学院大)も有力だ。

 85キロ未満級は、昨年の世界相撲選手権で日本代表として軽量級3位に入った奥知久選手(日体大)を中心に優勝争いが展開されそうだ。西日本王者の桜田隼選手(近大)、昨年は75キロ未満級で王者となった村山謙選手(愛知学院大)らが挑む。この階級のみに出場する京都大、立教大の選手たちの戦いぶりにも注目が集まる。

100キロ未満級 昨年の上位ずらり

 100キロ未満級は昨年の上位入賞者が多く顔をそろえる。昨年の決勝で戦った山口颯斗選手(日体大)と一戸龍道選手(日大)は今大会も出場。昨年は山口選手が制したものの、今年の東日本では一戸選手が準決勝でリベンジを果たし、そのまま優勝した。昨年3位で西日本Vの斎藤貴仁選手(近大)らも有力だ。

 115キロ未満級では東日本で日体大勢同士、西日本で近大勢同士が決勝でぶつかり、古賀倭選手(日体大)と八嶋凱登選手(近大)がそれぞれ優勝した。ただ、紙一重の差で決まった取組も多く本大会の勝負の行方は混戦模様だ。1、2年生がこの階級での上位入賞をきっかけに活躍するケースも多く、西日本新人戦を制した1年生・長内風道選手(近大)らの奮闘にも期待が高まる。

135キロ未満級は大記録か

力のこもった相撲を見せる日大の花岡真生選手(中央奥)=東京都千代田区の靖国神社相撲場で2024年7月28日午後2時38分、大村健一撮影

 125キロ未満級は今年から新設された。昨年の115キロ未満級を制した大森康弘選手(金沢学院大)は、5月に福岡で開催された全国選抜大学・社会人対抗相撲九州大会で団体初優勝に貢献した。西日本も勝ち抜き、安定した成績を残している。東日本Vの加藤梨生選手(東洋大)ら有力な1年生も出場を予定している。

 135キロ未満級は、花岡真生選手(日大)が前人未到の4連覇に挑む。複数の階級で連続優勝するケースも含め、4年連続優勝を達成した選手はいない。その花岡選手に東日本で土をつけたミャンガンバヤル選手や、東日本で優勝した江連春樹選手ら東洋大勢が強力なライバルとなりそうだ。森田陽彦選手ら金沢学院大勢も今季の個人戦で実力を発揮しており、目が離せない。

135キロ以上級に強力な近大勢 無差別は実力伯仲

7月の西日本個人体重別選手権135キロ以上級で4強を独占した近畿大勢。左から浦山秀誠、大和禅、日野朝貴、白記洸誠の各選手=堺市堺区の大浜公園相撲場で2024年7月28日午後2時18分、高橋将平撮影

 135キロ以上と無差別の両階級は、大相撲で活躍する力士を多く輩出してきた。135キロ以上級は、近大が西日本の4強を独占。いずれも4年生の浦山秀誠、大和禅両選手を中心に、昨年の全国学生相撲選手権で団体日本一に輝いた実力を発揮した。各種大会で今年安定した成績を残す木下優希選手(東農大)ら東日本勢が立ち向かう構図だ。

 無差別級は有力選手がしのぎを削る。昨年Vのブフチョローン選手(日体大)に、川上竜昌選手(日大)、篠侑磨選手(金沢学院大)の東西王者を軸とした争いとなりそう。体重制限はないものの、3選手とも体重は120キロ台と比較的小柄。パワーのみならず、スピードやテクニックに満ちた攻防が期待される。

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