○阪神5―4ヤクルト●(27日・甲子園)
阪神の1番打者は、“一つ”の球種を頭から消して打席に臨んだという。逆転の2点本塁打には、近本光司の思考力と我慢が詰まっていた。
1点を追う五回1死二塁で打席を迎えた。ヤクルトの先発サイスニードに対し、「変化球は凡打になりやすいので消した」と、直球のみを待った。
さらにその直球について「高めに来るピッチャー」と分析し、「そのボールを仕留めることしか考えなかった」とさらに狙いを絞った。
変化球が3球続き、ストライクの球も見逃した。カウントは追い込まれたが、待つ球は一つ。4球目に来た。
やや内より高めに来た直球を強振して引っ張り、打球は右翼方向へ。甲子園特有の浜風は、この時期は強くない。押し戻されることもなく外野フェンスを越えた。「2ストライクからしっかり待てた」と納得の表情だ。近本らしい一振りだった。【荻野公一】
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