サッカーのエリート選手を育成するJFAアカデミー福島。男子に続いて女子も13年ぶりにJヴィレッジで活動を再開させた。本来の拠点・福島から世界で通用する選手を目指す。

2024年3月21日、13年ぶりに福島に戻ったJFAアカデミー福島の女子選手たち。
「お帰りなさい」「ただいまー」
震災・原発事故の後は静岡県に拠点を移していたが、Jヴィレッジで活動するため寮に入った。中学生と高校生、あわせて40人での再スタートだ。

この春から新たな仲間も加わり、4月8日の入校式では、日本サッカー協会のトップも男女の「完全帰還」を喜んだ。
日本サッカー協会・宮本恒靖会長は「きょう、こうして14年ぶりに男女がそろったなかで、入校式ができることを非常にうれしく思います」と挨拶した。

女子の新入生は7人、中学一年生の緑川真生さん(12)は唯一の福島県出身者だ。
福島市出身の緑川真生選手は「サッカーのできることや支えてくださる方々に日々感謝をし、卒校するころには世界を舞台に活躍できる選手になれるよう成長していきます」と入校式で成長を誓った。世界を見据え、よりレベルの高い環境でサッカーを学びたいと入学を決めた。

福島テレビ・松山理穂アナウンサー:「福島に戻ってきた女子選手たちの練習が本格的に始まりました。再びこのサッカーの聖地にボールを蹴る音が響き渡っています」

女子統括ディレクター・山口隆文さん:「大きく素早く!大きく素早く!丁寧に丁寧に」

4月10日は新入生を交えての初めての合同練習。パス回しやゲームをしながら声をかけあい、コミュニケーションを図る。
緑川選手は「ボランチだからボールをとったりして、パスとかドリブルいったりできるし、シュート決めるのが楽しいかなって」と話す。兄と姉の影響で小学生のときにサッカーを始めた緑川さん。地元のクラブで男子に混ざって、サッカー漬けの生活を送ってきた。ボランチやセンターバックで活躍し、正確なボールコントロールと瞬時の判断力の高さが持ち味だ。

緑川選手は「男子とは違う、うまさとか強さもあって、自分もどうしたらうまくなれるんだろうって思いました。今までやってきたレベルと(比べると)とても高くて、これからもっと頑張っていきたいなって思いました」と話す。

練習は週5回程度、毎日2時間行われる。選手たちは全員親元を離れて寮生活を送る。練習を終えての楽しみといえば…食事の時間だ!
メニューを考えるのは、サッカー日本代表の帯同シェフを務めていた西芳照さん。疲労を回復させ、成長期に欠かせないバランスのとれた料理が並ぶ。

長縄莉央選手(高校3年):「なでしこの皆さんが食べていたっていうので、自分たちも同じものを食べさせていただいているので、すごく力になってます」
古川心尋選手(高校1年):「環境が変わった中でも自分のコンディションとか、こういうごはんで整えて、しっかりがんばっていきたいなって思います」

寮生活を通じて培われる自己管理能力やコミュニケーション力、そして、チームメイトとの絆。JFAアカデミーでは、地元の中学・高校に通いながら、トップ選手に必要な語学力や国際感覚などを磨く。

「たくさんの人が受けた中で受かった7人の中の1人という責任とかも感じつつ、レベルの高いところで(サッカーが)できるという嬉しさもあります。もちろん自分のプレーを出せる選手になりたいし、日頃から感謝を忘れずにプレーできる、そういう選手になりたいです」と話す緑川真生選手。

目標は世界の舞台で活躍する同じ福島県出身の遠藤純選手や、なでしこジャパンの攻撃の司令塔、長谷川唯選手。
緑川選手の夢を叶えるための挑戦が始まる。

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