輝(手前)を押し出しで降す玉鷲=両国国技館で2024年9月10日、長谷川直亮撮影

大相撲秋場所3日目(10日、東京・両国国技館)

○玉鷲(押し出し)輝●(玉鷲は歴代単独1位の初土俵から通算1631回連続出場)

 真骨頂の突き押し相撲で、玉鷲が前人未到の記録を彩った。

 かつて自身の付け人を務めた輝との対戦。頭からぶちかますと、手も足も止めず前に出続けて相手を土俵にはわせた。「世話になったけど、勝負にはしっかり(集中したかった)」という言葉通りの厳しい攻めを見せた。

 快挙を前に、さすがに緊張感が高まったという。「皆さん(記者)が毎日(記録について)おっしゃるから」と冗談めかしたが、この日は土俵上の所作もどこかぎこちなかった。

 それでも、持ち味を失わないのがベテランだ。八角理事長(元横綱・北勝海)は「『引き』ではなく、(自らの)力を出している相撲」とたたえた。

 この日は幕内連続出場回数も歴代6位タイの990回になり、現役トップだった宝富士(2024年初場所までで記録がストップ)に並んだ。最高峰の勝負の場に身を置き続けるだけでなく、「もっともっと上に上がりたい」。老け込むつもりはさらさらなかった。【岩壁峻】

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