小田凱人が優勝を決め、喜びに沸く市民ら=愛知県一宮市役所で2024年9月8日午前0時57分、川瀬慎一朗撮影

 パリ・パラリンピックオリンピック車いすテニス男子シングルスで接戦を制して金メダルを獲得した小田凱人(18)=東海理化=の出身地、愛知県一宮市の市役所大会議室では、市内外から集まった約250人がテレビ放送で試合を観戦し、歓喜の渦に包まれた。

 前日にはダブルスで銀メダルを獲得した小田。シングルスでは決勝まで1セットも落とさず勝ち上がった。決勝では世界ランキング1位のアルフィー・ヒューエット(26)=英国=と対戦。ダブルスで敗れた相手で、「全部出し切り、次は表彰台の真ん中」と誓っていた。

 参加者は大型モニターで観戦。一宮市から配布されたスティックバルーンを一斉に鳴らし、「凱人、凱人!」と声援を送った。

横断幕を手に小田凱人の金メダル獲得を喜ぶ市民ら=愛知県一宮市役所で2024年9月8日午前1時8分、川瀬慎一朗撮影

 会場には同級生も多数駆けつけた。中学の同級生は渡仏前、サプライズで同級生や先生による応援動画をプレゼント。小田は「パリで毎日見るよ」と喜んでいたという。小田が金メダルを獲得すると、同級生の渡辺泰さん(18)は「小田凱人が世界を変えた。追い込まれても笑顔でいられてすごいと思った。地元でまた祝勝会をしたい」、南裕大さん(18)は「格好よかった。本当にお疲れ様と言いたい」と喜んだ。

 小田が所属する東海理化の佐藤雅彦副社長は「力を振り絞って出し切った本当に素晴らしい試合。ありがとうと言いたい」と祝福。一宮市出身の同社人事部、玉腰哲典さん(55)も「一宮市のスターだ」と興奮気味に語った。

 会場では中野正康市長も観戦し、勝利が決まると、「手に汗握る感動的な試合をありがとう」とたたえた。【川瀬慎一朗】

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