パリの地下鉄駅に設置された数少ないエレベーター。車いすの女性が利用していた=8月(共同)

 【パリ共同】パリ・パラリンピックを契機に、長年遅れが指摘されていたパリ地下鉄のバリアフリー化が進む可能性が出てきた。管轄する地域圏トップが計画推進を表明し、歓迎した障害者団体がパリ市も招いて協力協定に署名した。団体は、資金面などで鍵となる国の関与を強く求める考えだ。  1900年開通のパリの地下鉄は、現在14路線のうち車いすで利用可能なのは1路線のみ。障害者団体は工事を求めてきたが、行政は構造の古さや多額の経費を理由に応じてこなかった。  パラ開幕に先立つ8月26日、イルドフランス地域圏のペクレス議長は全線バリアフリー化の大々的な構想を発表。総費用を150億~200億ユーロ(約2兆3600億~3兆1500億円)と見込んだ。地域圏と市では賄いきれない額で、国の関与が必要になる。  障害者団体APFは9月5日、ペクレス氏とパリ市の代表者を招き「アクセス可能な地下鉄のための協定」を結んだ。優先的に工事する駅の選定方法を来年2月に発表することを目指し、他の団体と共に計画策定に協力する。


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