ゴールボール男子の日本は確かな実力で金メダルを手にした。

 ウクライナとの決勝は、3―3でゴールデンゴール方式の延長戦へ。残り1分29秒。佐野優人が投げたボールは、相手選手にぶつかり高く跳ねると、そのままゴールに飛び込んだ。「とにかく自信のある球を投げた」。コートの内側に走り込みながらボールは外向きに転がすという技術を要する投球だった。

 大一番で試合を決めたのが、得点源の金子和也、宮食(みやじき)行次ではなく、守備が得意な佐野だったことが、チームの地力の高さを物語る。工藤力也ヘッドコーチは「パワーとスピードだけでなく、技術も世界で通用することが証明できた」。

 初出場だった東京大会以降、主将の金子ができるポジションを複数に増やしたり、若手が台頭したりしたことで、状況に応じた選手選択の幅が増えた。筋力トレーニングに力を入れ、攻撃力の底上げを図った。昨年、イギリスであった国際大会で優勝し、自力でパリの切符をつかみ、宮食は「海外チームから点が取れるチームになった」。自信を持って今大会に挑んだ。

 決勝までに6人全員が出場して勝ち上がり、初の頂点に立った。決勝ゴールを決めた佐野は「ここまでの道のりに対して、自信は100%でした。大満足です」。誇りに思う仲間たちと、もみくちゃになって喜んだ。(佐藤祐生)

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。