8月のインターハイ競泳男子200m背泳ぎで優勝した能代松陽高校3年の白鳥航生選手は、秋田県能代市のスイミングスクールで日々練習に励んでいる。インターハイ優勝に満足することなく、次の目標は国民スポーツ大会での優勝。強さの秘訣(ひけつ)はどこにあるのか取材した。

さっそうとプールコートに入ってきた白鳥航生選手。通っている能代松陽高校に水泳部はなく、能代市のスイミングクラブで泳ぎ、体を鍛え上げている。

白鳥航生選手は、8月のインターハイ200m背泳ぎで、自己ベストを更新して優勝。インターハイの水泳競技で秋田県勢男子の優勝は初めてだ。

白鳥選手には双子の兄がいる。兄・魁生選手も同じく水泳に取り組んでいて、互いに切磋琢磨している。

白鳥選手は4歳の時に水泳を始めた。専門は背泳ぎだが、練習では他の泳法の練習も欠かさない。

インターハイ決勝でのレースについて、白鳥選手は「『インターハイ優勝』という目標は高1の時からずっと考えていたので、優勝した瞬間はうれしかった。決勝のレースは自分がやる前に立てたレースプラン通りに最初は泳げて、前半から攻めたレースができた。後半に少し疲れてしまって最後上げきれなくて、目標にしていたタイムに届かなかったので悔しさもある」と振り返った。

優勝のうれしさの一方で悔しさが残ると話す白鳥選手は、水泳に対する思いもひときわ強く、誰もが認める努力家だ。

長年指導にあたっているサンフルトスポーツスイミングクラブの藤田隆之コーチは、白鳥選手の強さについて「一番の彼のストロングポイントは、ストローク効率が良い。ひとかきで他の選手よりもたくさんの距離を進む能力が高い」と話す。

ストロークとは、水中で前進するために腕で水をかく一連の動作。一つ一つ少しでも長い距離をかくことによって泳ぎの効率も上がる。

白鳥選手は身長181センチ。手足のリーチもあり、体格を生かした泳ぎが強さにつながっている。

インターハイ、さらには8月22日からのジュニアオリンピックでともに頂点に上り詰めたが、現状に満足はしていない。次の目標は、9月14日から開催される、2023年は2位に終わった国民スポーツ大会での優勝だ。

インターハイでレース後半の課題が見つかった白鳥選手は今、「最後までキックを入れてテンポも落とさないで水をかくことをしっかり意識して練習している」という。

高校卒業後は、秋田県外の大学に進学して競技を続けるという白鳥選手。「高校を卒業してからは、もっと筋トレなどをして体を大きくし、将来は日本のトップを争える選手になりたい」と、さらなる高みを目指す。

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