第69回全国高校軟式野球選手権大会(日本高校野球連盟主催、朝日新聞社、毎日新聞社など後援)を制した中京(東海・岐阜)が4日、岐阜県瑞浪市の同校で優勝報告会を開いた。大会史上初となる2度目の3連覇を達成、13度目の優勝回数も大会最多だ。なぜここまで勝ち続けられるのか。
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「応援のお陰で史上初の2度目の3連覇を達成することができました。これから、この日本一の価値を高めるのも下げるのも自分たち次第です。気を引き締めてやっていきたい」
優勝報告会で3年生の清水隆之介主将は生徒や関係者らを前に支援への感謝を伝えた。
「ワンチャンス」を手にするために
1991年に初優勝を果たしてから、大会最多となる13度目の優勝。常勝を支えるカギはどこにあるのか。
清水主将は「『軟式らしい野球』ができているし、そこにこだわり抜いてやってきている」と分析する。
軟式球は、硬式球に比べて打球が飛びにくく点が入りにくい。守りを重視し、攻撃ではバントなどを多用して1点を取りに行くスタイルが一般的だが、「ワンチャンスをものにしてその1点を全員で守りきる」へのこだわりが他校よりも徹底されているという。
その一つが軟式特有の打法「たたき」だ。大きく跳ねる軟式球の特徴を生かし、打球をたたきつけて内野で高く弾ませ、その間に走者を進める。中京は、このたたきを徹底的に磨いてきた。
2―0で制した決勝は2安打で2点。三、四回に「たたき」で1点をもぎとり、守り切っての完封勝利だった。
平中亮太監督(43)は強さの理由に「伝統の力」も挙げる。
「これぐらいのレベルにいかないと全国では勝てないというものを、先輩の姿を見て学ぶ。伝統として他のチームよりある部分なので、そこは大きい」
中京野球の伝統を象徴するのが、10年前の「延長50回」だ。2014年の準決勝、崇徳(広島)戦で4日間にわたる延長50回の死闘を制し、球史に名を刻んだ。
当時の主将で現在、中京でコーチを務める後藤敦也さん(27)も伝統の重みを実感するという。
「指導で個性や自由を尊重するようになってきたなど時代の変化もあるが、変わらずに大切にしているのは、謙虚さ、感謝など人としての成長。そういう伝統が試合の土壇場で生きてくる」(寺西哲生)
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