パリパラリンピック29日に開幕しました。福井県勢として「車いす陸上T52クラス」の男子100メートルと400メートルに、大野市出身の伊藤竜也選手が出場します。地元大野市出身のトレーナーとともに、自身初のパラリンピックでメダル獲得を目指します。
          
大野市出身の伊藤竜也選手(38)は、17歳の時の交通事故が原因で、車いす生活21年目になりました。現在は東京都内の建設会社に所属し、県内で練習を続ける毎日です。
   
5月に兵庫県で開かれた世界選手権では、障害の程度が重い「T52」クラスの400メートルで銅メダルを獲得しました。
  
伊藤選手は現在の状態について「手首から先に障害があり、日常生活レベルでは問題ないが、健常者の時から比べると握力が半分に落ち、若干のしびれもでている」と話します。
    
伊藤選手は、力で勝る海外の選手に負けないよう、これまで筋力トレーニングを7年間続けてきました。
  
伊藤竜也選手:
「筋肉が付くことによって(車いすを)すごく押せている感覚もあったし、体重を乗せられている感覚もあったが、ちょっと動きが鈍かったと、いまになって思う」
    
同じ大野市出身でトレーナーの牧野康博さんは、2023年から伊藤選手のサポートを始めました。そこで送ったアドバイスは、力を入れていた筋力トレーニングを控えることでした。
   
牧野康博トレーナー:
「どうしても筋肉だけに頼った走りになり、体の一部分しか使わないので連動しにくい。全身を使って走れるとスピードが出てくる。出会ったときから5キロ体重を落とし筋肉量も落ちているが、スピードはどんどん上がってきている」
  
伊藤選手も牧野さんとの出会いから、プラスの変化を感じています。
  
伊藤竜也選手:
「自分は理論で頭が固まっていた部分があった。アスリート特有の食事、筋トレ、睡眠と決まりきってやっていたことが、牧野さんと知り合って自分の中で全部取っ払われた。いますごく気持ちが楽」
 
伊藤選手と牧野トレーナーは、二人三脚で夢のメダル獲得を目指しています。
 
伊藤竜也選手:
「スタートラインにようやく立たせてもらえる。ワクワクした気持ちが強い。2種目でメダル獲得を目標に走りたい」
           
<伊藤選手の出場予定>
車いす陸上T52クラス・男子400m予選:8月30日、同決勝:31日
車いす陸上T52クラス・男子100メートル:9月6日

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