カタールのドーハで行われているアジア最終予選で、8大会連続のオリンピック出場を目指す日本は準々決勝で開催国のカタールと対戦しました。

日本は、開始早々の前半2分、ペナルティーエリアに近い位置で相手のボールを奪った山田楓喜選手が左足でゴールの右隅にミドルシュートを決めてさい先よく先制しましたが、24分にカタールにヘディングシュートを決められて同点に追いつかれました。

42分にはカタールのゴールキーパーが細谷真大選手に対する反則で退場となり、日本は数的優位な状況となりましたが、守備を固める相手を攻めあぐね、逆に後半4分警戒していたフリーキックからヘディングで決められて勝ち越しを許しました。

それでも1人多い日本は相手のゴール前に迫り続け22分、コーナーキックに身長1メートル86センチのディフェンダー、木村誠二選手がヘディングで合わせて2対2の同点に追いついて試合はそのまま延長戦に入りました。

そして、延長前半11分にゴール前でパスを受けたフォワードの細谷真大選手がゴールキーパーの股を抜くシュートを決めて勝ち越しました。

細谷選手は所属するJ1の柏レイソルで今シーズンゴールがなく、今大会もここまで無得点と苦しんでいましたが、大事な場面で大きな役割を果たしました。

日本はこのあと途中出場の大学生、内野航太郎選手のゴールでもう1点加えて4対2で勝って、準決勝進出を決めました。

準決勝は、日本時間の30日午前2時半からイラクとベトナムの勝者と対戦し、勝てばパリオリンピック出場が決まります。

大岩監督「やるべきことをもう1回整理して臨みたい」

日本の大岩剛監督は退場者を出して1人少ないカタールに苦戦しながら勝利したことについて「カタールは非常に組織だって粘り強かった。自分たちで試合を難しくしてしまった側面があるので次の試合に向けて改善したい」と振り返りました。

その上で、次の準決勝に向けては、「自分たちがボールを保持しているときと保持していないときのそれぞれのやるべきことをもう1回整理して臨みたい」と話していました。

決勝ゴールを決めた細谷「チームを勝たせたいという思い」

延長前半に決勝ゴールを決めた細谷真大選手は「荒木選手が前を向いた瞬間に自分もポジションをとりに動いた。うまくパスを出してくれたので落ち着いて流し込むだけだった」と振り返りました。

細谷選手はJリーグも含めてしばらく得点がなく、不振が続いていたなかで、待望の最終予選初ゴールとなり、「チームを勝たせたいという思いもあったし、スペースをつく動きは自分の武器なのでそこを突いていこうとチーム全体で話していた。もっとそこを突けるようにそしてもっとゴールを決められるようにしたい」と話していました。

先制ゴールの山田「試合を通じていいプレーができた」

開始早々に先制ゴールを決めた山田楓喜選手は「最初からどんどん積極的に打っていこうと決めていてその狙いががっちりはまって先制ゴールにつながったかなと思う」と振り返りました。

その後、何度もチャンスに絡んでいったことについては「カタールが1人退場してから楽になるかとプレーしていたが逆にすごく難しい試合になった。勝ち越されたなかで自分の左足のキックがどこかでゴールにつながると思っていた。結果的にはゴールに結びつかなかったが試合を通じていいプレーができたと思う」と話していました。

フル出場 キャプテン藤田 準決勝向け「いい準備をして頑張る」

フル出場したキャプテンの藤田譲瑠チマ選手は「山田楓喜選手のゴールで先制してから逆転されたときは、アウェーの空気感に飲み込まれそうになったが、得点できれば自分たちにもチャンスあるからじれずにいこうと話していた。自分たちの強みのセットプレーから得点でき、そこから逆転できてすばらしい流れだった。相手が疲れてきたらスペースが空くと思っていた」と試合を振り返りました。

準決勝に向けては「まずは第一関門をクリアしただけなので、まだ満足していない。自分たちの最低限の目標であるパリオリンピック出場権獲得、そしてこの大会の優勝というものがすぐ近くにあるので、いい準備をして次の試合に向けて頑張っていく」と笑顔で話していました。

ディフェンダーの関根「タフなゲーム 勝てたことうれしい」

ディフェンダーの関根大輝選手は「タフなゲームだったが、勝てたことが何よりすごくうれしい。1点目の失点が自分のせいで失点してしまったので、それを取り返すために自分が点を取ったりアシストしたいという思いでやっていた。結果にはつながらなかったが、チームが勝てたことが良かった」と振り返りました。

また、同じJ1の柏レイソルに所属する細谷真大選手が今大会で待望の初ゴールを決めたことについて「レイソルでも一緒にずっとプレーしていて点を取って欲しい、僕もアシストしたいという思いがあった中で決めてくれたときには本当にうれしかった。きょうの1点で満足しているような選手ではないと思うので、次も、その次も、チームを勝たせてくれるゴールをとってくれると思う。僕も負けじとゴールやアシストで得点を増やしていきたい」とうれしそうに話していました。

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