◯東京ヴェルディ2―1鹿島アントラーズ●(25日・味の素スタジアム)
Jリーグが開幕して間もない1990年代に覇権を争った名門同士だが、東京ヴは長く低迷。16シーズンぶりにJ1昇格を果たして復活を期すシーズンに、鹿島からリーグ戦で19年ぶりの白星を挙げた。
個人の能力で上回る鹿島に対し、東京ヴは自陣に強固な守備ブロックを敷いた。その上で、FW山見大登らのスピードを生かしたカウンターなどで鹿島ゴールに迫った。
戦略が実ったのが後半18分。DF綱島悠斗がドリブルで突破し、鹿島のDFラインの背後を狙ってパス。抜け出した山見が相手GKと右ゴールポストの間の狭いコースに照準を合わせ、豪快にネットを揺らした。
このゴールは、チームのJ1通算800得点目。後半30分にも自ら追加点を奪った山見は「ここ何試合か無得点が続いていた。ホームで800ゴールを達成したかった」と語った。チームは試合終盤にPKで1点を返されたが、GKマテウスの好セーブなどで守り切った。
一度も降格経験のない鹿島に対し、東京ヴは2009~23年の長きにわたってJ2の「沼」にはまった。だが昨季はJ1昇格プレーオフ(PO)を制して復帰。かつてのライバルとようやく同じ舞台に立ち、05年8月以来となるリーグ戦の直接対決勝利となった。
POによる昇格組はJ1で苦戦を強いられることが多いが、東京ヴはこの日の勝利で9勝11分け8敗と白星先行。城福浩監督は「先発陣が出し切り、交代選手がやり切って今季で一番高いレベルを示せた」と胸を張った。【高野裕士】
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。