3年生と2年生の左腕 2人で守ったマウンド

3年生の中崎琉生投手と2年生の西村一毅投手は準決勝まで交互に先発する「ローテーション」で、互いの負担を減らしながら登板。

5試合の失点をわずか「5」に抑え、関東第一高校との決勝でもそれぞれの持ち味を存分に発揮しました。

3年生の中崎琉生投手

決勝はエースの中崎投手が先発し、持ち味のコントロールでコーナーを丁寧に攻め、9回までヒット4本、このうち外野に飛んだのはわずか1本で安定感抜群のピッチングで得点を与えませんでした。

2年生の西村一毅投手がリリーフ

10回からは西村投手がリリーフ。

タイブレークで1点こそ失ったものの、得意の変化球でタイミングを外す巧みな投球術でリードを守り切り優勝投手になりました。

今大会、24イニングを投げて最後まで自責点「0」。

甲子園の大舞台を『防御率0.00』の驚異的な成績で終えました。

西村一毅投手が最後を締めくくる

中崎投手が「2人でマウンドを守ってきたので、最後まで守り切ろうという話をしていました」と振り返れば、西村投手も「中崎投手から『最後は気持ちだぞ。思い切って投げてこい』と言われて、いつもどおり投げられました」と明かし強い信頼関係がかいま見えました。

先輩の背中を追って

なぜ、左の好投手がそろうのか。

転機は春夏連続で甲子園に初出場し、夏ベスト4まで勝ち上がった3年前にさかのぼります。

森下瑠大投手(2021年8月)

当時のエースで現在、プロ野球・DeNAでプレーする左腕、森下瑠大投手の活躍です。

中崎投手は森下投手の2学年下。

ひじのけがでピッチング練習ができないなかでも黙々と体幹トレーニングに取り組んでいるのを見て、エースがチームを引っ張る姿には何が必要か学んできました。

さらに森下投手に憧れて、京都国際に入学する選手も増え、その1人が西村投手でした。

ことしのセンバツでは、メンバーに入ることができませんでしたが、中崎投手について「チームを背中で引っ張る姿が目標になり、自分を成長させてくれました」と先輩の存在に感謝を口にしていました。

高校野球では、ことしから反発力を抑えた新たな基準の金属バットが導入された影響で、大会全体の総得点はこの30年で最も少なくなりました。

1点の重みがいっそう増す中、エース像が受け継がれる左腕の活躍が初優勝の扉をこじ開けました。

【詳しくはこちら】京都国際が初優勝 関東第一との延長戦制す

【NHK特設サイト】夏の甲子園2024

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