(第106回全国高校野球選手権大会準決勝 第13日〈21日〉の見どころ。丸数字は試合順)

 ①神村学園(鹿児島)―関東第一(東東京)

 互いに堅守で勝ち上がってきた。ロースコアの展開が予想されるだけに、細かいミスが勝敗を分けそうだ。

 神村学園は準々決勝まで4試合で3失策。二塁手増田、遊撃手の今岡は守備範囲が広く、肩も強い。関東第一も1試合平均1失策。3回戦、準々決勝とピンチを好守でしのぐなど、二塁手小島を中心に球際の強さが光った。

 投手はともに左腕が鍵を握る。神村学園は先発8人が左打者。関東第一の畠中は8回余りを1失点だった準々決勝のように内外に投げ分けたい。関東第一打線も上位に左打者が並ぶ。神村学園の今村は制球に苦しんだ準々決勝から立て直せるか。

 4番にも注目。関東第一の高橋は準々決勝で本塁打を放った。神村学園の正林も2試合連続安打と状態は上向きだ。どちらがチームを勢いづけられるか。(山口裕起)

 ②京都国際―青森山田

 今春の選抜大会1回戦でも対戦し、4―3で青森山田がサヨナラ勝ちした。青森山田は関が8回3失点、京都国際は中崎が九回途中4失点と、両エースが力投した。

 5カ月ぶりの再戦は、京都国際が優勢か。

 中崎、西村の両左腕による3試合連続完封勝ちが際立つ一方で、打線も脅威だ。4試合連続で2桁安打、計51安打と絶好調。打率は長谷川が5割を超え、金本、沢田、藤本も4割超。小技もうまく、バントと足を絡めて着実に得点を重ねる力がある。

 青森山田は、点の取り合いなら勝機は広がるとみる。京都国際の両左腕はこの夏、継投がほとんどなく、試合途中の登板に慣れていない。青森山田は打率5割台の佐藤隆と菊池伊、春に中崎から2安打を放った吉川を軸に、じっくり球を見極めて先発を降ろさせれば、その継投のタイミングが好機となる。(室田賢)

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