(19日、第106回全国高校野球選手権大会準々決勝 青森山田―滋賀学園)

 夏の甲子園で初めてベスト8に入った滋賀学園。ベンチに入っていない部員たちが、満を持してアルプス席で披露しているキレキレのダンスが、SNS上で「バズって」いる。

 「滋賀学園の応援最高すぎ」「滋賀学園の魔踊好き」――。SNSには、そんなコメントとともに、動画が投稿されている。投稿によっては何万もの「いいね」が付いている。

 ベンチに入っていない部員が応援席で踊るのは滋賀学園の伝統で、滋賀県内では名物になっている。山口達也監督の「応援も楽しめ」という助言が土台にあり、部員たちは練習後や寮に帰ってから自主的に練習している。

 部員たちは、先輩から受け継ぐ「三代目J SOUL BROTHERS from EXILE TRIBE」のダンスのほか、自分たちで振り付けを考えたダンスを踊る。甲子園出場に際しては、ゲーム音楽「メガロバニア」やジャズの名曲「A列車で行こう」などに合わせたものも加わった。

 約50人の部員を率いるのは、3年生の応援団長の荒井浩志さんと副団長の前川大翔さん。甲子園の開幕前には、チアリーディング部やジャズオーケストラ部などと合同練習。前川さんは「ダンスで圧倒したい。状態はええ感じです」と汗を光らせていた。

 15年ぶり2回目の夏の甲子園。初めて初戦突破すると、強打を発揮してベスト8まで進んだ。勝ち上がるたびに、部員たちのダンスが注目を集めた。

 「試合が終わったら応援がバズってて………」と門田侑也主将(3年)は笑う。「流れの部分で応援に押されていると感じている」

 選手たちは、日頃、荒井さんたちが練習を支えてくれていることに感謝している。ベンチに入っている藤瀬琥珀選手(同)は「いつもサポートしてくれているから、目立ってくれてうれしい」と素直に喜ぶ。

 おもしろいキャラクターとして話題になっている荒井さん。実は、寮長を務め、将来は人の役に立ちたいと救急救命士をめざしている。

 「滋賀学園を知ってくれてうれしく思う。球場全体を巻き込むような応援がしたい」。強豪の青森山田と戦う準々決勝を見据えて言った。(仲程雄平)

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