19日の準々決勝で東海大相模(神奈川)と対戦する東東京代表・関東第一は18日、兵庫県西宮市の球場で練習した。同校との対戦は、練習試合も含めこれまでゼロ。相手エースを警戒しつつ、自分たちの野球に徹する考えだ。

 優勝候補に挙げられる東海大相模は危なげなく、勝ち進んできた。特に注目されているのは、身長198センチの左腕エース・藤田琉生投手(3年)だ。これまでの2試合いずれも先発し、計13回を投げ失点1。19日も登板すれば、関東第一打線が打ち崩せるかが、大きなポイントになる。

 試合前日となったこの日の練習で選手たちは、ピッチングマシンや打撃投手の球で打撃をしたり、守備位置の確認をしたりした。

 主将の高橋徹平(3年)は「東海大相模は投手全員の球が速いので、芯に当てることを意識した」。相手と対戦経験がないことについては、「向こうも自分たちの強さとか分からないと思う。自分たちの野球をしっかりやるだけ」と話した。

 米沢貴光監督の思いも高橋と同じだ。「(藤田のような長身の左腕は)なかなかいない。なんとか食らいついて、うちはうちらしくやっていくしかない」

 一方、東海大菅生の好投手陣と投げ合うことになるエースの坂井遼(3年)は「どのバッターも力があるので気を緩めることなく投げたい」と話した。

 ただ、準々決勝での関東対決となったことに選手たちはやや複雑な思いもあるようだ。

 3回戦の明徳義塾戦後、準々決勝の組み合わせを決めるくじを引いたのは高橋。「次の試合もあったので『早く引いて』って言われて、とっさに右手で一番右側のくじを引いたら、相模さんの横だった」と振り返る。

 東海大菅生が相手と分かった瞬間、「やべえな」と思ったという。今春の選抜大会でも、八戸学院光星(青森)との開幕試合のくじを引いた。「くじ運はもともとない方です」と話す。

 チームメートからは「何やってんだよ」と言われたという。ただ、「最終的には理解してくれました」と高橋。

 東海大相模の主将、木村海達(かいたつ)(3年)とは開会式の行進前に待合室で隣になった際、「(関東勢同士で)なるべくやりたくないよね」と話していたという。高橋は「相模さんとはできることなら決勝までやりたくなかった。ここまで運がないのかと……」と苦笑いした。(佐野楓)

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