◆17日ホームで磐田を迎え撃つ
白星を挙げたのは7月14日の東京ヴェルディ戦が最後。その後は3試合で1分け2敗と思うように勝ち点を積み重ねられていない。前節の11日の湘南ベルマーレ戦はDF陣が隙を突かれる形で失点して0-1で敗戦。試合後に指揮官は「取り組んできたことが散漫になっている」と厳しい表情で指摘し、強みの堅守がほころびを見せていることを危ぶんだ。湘南戦で指示を送る町田の黒田剛監督©FCMZ
磐田戦を前に、15日に取材に応じた黒田監督は「首位や優勝を意識して目に見えない甘えや隙を生んでいることがないわけでもない」と認める。その上で選手には「いったん肩の力を抜いて、強かった時の町田のサッカーを思いだそう」と説いた。 ミーティングで今季の試合を映像で振り返り、中盤の競り合いでボールを奪ったり、相手のシュートをゴール前で体を張って止めたりする守備のシーンを重点的に見せながら修正を図った。ここまで無失点で抑えた試合はリーグ最多タイの12試合。守備の堅さに何よりもこだわってきた黒田監督は「90分の中で一瞬の隙も作らずに0で抑えたい」と意気込む。湘南戦でゴールを守る町田のDFドレシェヴィッチ(中)©FCMZ
磐田は残留争いをする17位とはいえ、4月の前回対戦は敵地で苦しめられている。後半1分にDF陣が背後を突かれる形から先制を許し、同25分にはハンドでPKを献上。パリ五輪予選でFW藤尾翔太らを欠いた攻撃陣も今季10試合目で初めて無得点に終わり、0-2で完敗した。◆磐田は得点源が復帰、町田は防御の要が欠場
今回磐田はゴール数リーグ2位の15得点を挙げているFWジャーメイン良が、イエローカード累積による出場停止から復帰する。チームも前節で2位鹿島アントラーズに2-1で逆転勝ちした勢いがあり、立て続けに上位陣を倒そうとするモチベーションは町田にとって障壁となりうる。磐田戦を前に取材に応じる町田の中山雄太(加藤健太撮影)
対する町田は、堅守を支えてきたDFドレシェヴィッチがイエローカードの累積で出場できない。代わりに、14日に電撃加入したばかりのDF中山雄太をセンターバックで起用する可能性が出てきた。イングランド2部のハダースフィールドから移籍した日本代表の27歳は「上を目指そうとするチームの雰囲気に引かれた。優勝は自分のタスク」と淡々とした口調で頼もしく言い切る。 前節の湘南戦を落とした町田は、磐田戦も負ければ今季初、さらに黒田体制2年目で初の連敗となる。先制すれば13勝1分けと圧倒的な勝率を誇るだけに、DF陣だけでなく、2試合連続無得点に終わっている攻撃陣の奮起も欠かせない。過去に前例がない初昇格チームのJ1制覇に向け、勝負どころを迎えている。(加藤健太) 鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。