【東海大相模-広陵】五回表東海大相模1死二、三塁、中村(左)に2点適時打を打たれた広陵の高尾=阪神甲子園球場で2024年8月16日、吉田航太撮影

 第106回全国高校野球選手権大会は第10日の16日、阪神甲子園球場で3回戦が始まり、広陵(広島)は東海大相模(神奈川)に1―8で敗れた。

 4季連続出場の広陵のエース右腕・高尾響投手(3年)は救援で待機。1―2の五回1死三塁で2番手で登板したが、1回余りを投げて7安打5失点だった。

 高尾投手の試合後の主な談話は次の通り。

「中井先生がずっと信用してくれた」

 (救援して1球目を右前適時打とされた)インコース高めの真っすぐの要求だった。空振りが欲しかった。詰まらせたが、球の切れがなくて(バットに)当てられ、(外野手の前に)落ちてしまった。

 真っすぐの走りが2回戦に比べ、よくなかった。疲労というより、コンディション。しっかり準備ができていなかった。ブルペンで投げる球数が少なかった。腕があまり振れていない状態でマウンドに入ってしまった。

 (東海大相模打線は)甘いコースはどんどん振ってくるチームだと思っていた。「甘いコースに行かないように」と思っていたが、甘いコースに入ってしまった。それを弾かれた。

 (救援待機に)自分が先発できなかったのは悔しかったが、(先発した)山口(大樹)が広島大会は頑張ってくれた。山口のことも信頼しているし、山口の後をしっかり抑えるという気持ちだった。

 (監督の)中井先生には「大事なところで、お前で行くぞ」と言われていた。いつでも(マウンドに)行ける準備はしていたが、足りなかった。制球もできなかったし、球の切れもよくなかった。

 中井先生には「お前で負けたらしょうがない」と言われていたが、自分の中では「自分で負けないように。絶対勝つ」という気持ちで入った。こういう結果になって本当に悔しい。

 終わってしまったが、自分の中では悔いなく終われた。ここまで自分がやれることをやってきた。その結果がこうだった。本当に悔しいが、仲間のみんなとできたことは本当に宝物。大事にしたい。

 (敗れた)実感はわいているが、みんなに支えてもらって野球ができて、投げられた。悔しい思いはあるが、今はみんなに感謝の気持ちでいっぱい。

 (進路は)まだ明確には決まっていないが、社会人か、プロを目指したい。

 自分は身長が低くて小柄なので、しっかりコントロールをつけて打たせて取りたい。パワー系ではなく技巧派という感じで、技を使いながらやっていきたい。

 (広陵OBでプロ野球・広島の)野村(祐輔)さんは、技でかわしてバッターを打ち取っていく、お手本のようなピッチングをされている。自分もそういうピッチャーになりたい。

 (1年春から広陵の背番号「1」を担った)みんなのお手本になるような生活をして、投げて勝てるピッチャーでありたいと思ってずっとやってきた。

 甲子園では自分が投げて負けた試合ばかりだった。それでも、中井先生がずっと自分を信用してくださった。それが本当にうれしかった。

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