サッカー元日本代表の松井大輔さん(43)が、現役時代に挑戦したフットサルの国内トップリーグ、男女のFリーグを運営する日本フットサルトップリーグの理事長に6月に就任した。サッカーの9分の1ほどのコートでテクニカルな戦いを繰り広げるアリーナ型競技。観戦を楽しみたいと思わせる環境など課題を聞いた。(上條憲也)

Fリーグ女子の試合を視察に訪れた松井大輔新理事長=千葉県浦安市で(上條憲也撮影)

 松井大輔(まつい・だいすけ) 鹿児島実高からサッカーJ1京都、ルマン(フランス)などで活躍した技巧派。ブルガリア、ポーランドでもプレーした。日本代表は世代別から名を連ね、2004年アテネ五輪、10年ワールドカップ(W杯)南アフリカ大会出場。磐田、横浜FCなどを経て21年にフットサル挑戦でFリーグのYS横浜に加入し、翌年は「二刀流」でJ3のYS横浜にも所属。今年2月に現役引退。23年からFリーグアンバサダーを務めた。京都市出身。

◆まずは愛好者をFリーグに取り込む仕組みを

 —競技を自分で楽しむ愛好者は多いといわれる。
 「フットサル人口で言えばみんなやっている。オーバー40(歳)、50…。でもFリーグを応援している人があまりいない。(一般参加の大会を作って)オジカップとかやってもいい。勝ち上がって最後はFリーグのどこかと戦えたり、イベントをたくさんやっていきたい。まずはお金の問題がある。選手がスターになることも大事だし、リーグを(テレビなどメディアを通しても)見ることができるよう、入り口はなんでもいいけど提供しないと」  —室内競技の良さは。  「ポテンシャルはあると思っている。この暑さ。室内が重要になってくる時代がくると思っている。空調があって見やすいじゃないですか。その中で熱狂して、面白くて、踊ったりできる。コンサートをやってもいい。ニーズに合わせて提供できれば」

千葉県浦安市の会場で8月3日に3試合が行われたFリーグ女子の試合の様子(日本フットサルトップリーグ提供)

 —技巧派と呼ばれた自身は40歳でフットサルに挑戦。  「フットサルは実質1年半くらい。苦労したけど、知らないことを知ることができたというのは大きな財産。もっと若いときにフットサルが普及していたら(サッカーも)もっとうまくなったな、と」

◆幼少期からのフットサルが効果的

 —フットサルは戦術、技術が重要な競技だ。  「幼少期にフットサルをやってほしいですね。これからはJクラブがチームを持って当たり前に両方教えないと。(パリ五輪のサッカー男子日本が準々決勝で)スペインに負けたように、やっぱりスペインもフットサルが強い。あの足の技。(プレスをかける)はめ合いの中でどう(相手を)はがしていくか。狭いエリア。幼少期にやっていないとああいうことはできない。それがゆくゆくはJリーグにもフットサルにもどっちにもいけるようになると思う」  —自身はJ2徳島で臨時コーチも務める。  「先日参加した練習では、前線の選手の個人戦術でドリブルやシュートはフットサルのものをやった。違う観点からサッカーもフットサルも見られたなと思っている。やっぱり経験って命」

Fリーグ女子の試合を観戦する松井大輔新理事長

 —リーグとして次世代、ファン構築、社会への影響などの課題を挙げ、フランス語で少しずつの意、プティ・ダ・プティで進める。  「ヒーローをつくったり海外進出、各チームの面白さ、あとはいろんな交流もつくりたい。おじいちゃんおばあちゃん、子どもたちとか集まってフットサル選手と一緒に遊ぶとか。(だれしも)体を動かさないとなまっていくので、そういうのもあっていいのかな。良いものは残し、変えるところは変えて、ちょっとずつ」 

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