「私らしい“かわいい”」で 刻んだ新たな歴史

オリンピックに採用された2004年のアテネ大会以降、日本勢が苦杯をなめさせられてきた女子の最重量級。「私らしい“かわいい”を見せる」と、独特の感性で磨いてきたレスリングで鏡選手がパリで新たな歴史を刻みました。

小学生のころからレスリングを始めた鏡選手。JOC=日本オリンピック委員会が若手の英才教育を行う「エリートアカデミー」で実力を磨き、去年の世界選手権では20年ぶりに最重量級で金メダルを獲得しました。
そして日本では過去誰もなしえていないオリンピック女子最重量級の金メダルを目指して厳しい練習を続けてきました。

その量と質はすさまじく、底抜けに明るく笑顔が印象的な鏡選手でも、心が折れそうになったといいます。

それでも、常に自分を奮い立たせてくれることばありました。「かわいい」です。

「“頑張れ”よりも“かわいい”のほうがうれしいし、ハッピーになれる」

厳しい練習の合間にも「かわいい」と繰り返し口にしてみずからを支えてきました。

「レスリングを頑張ってトレーニングをしてムキムキになってもそれは“かわいい”し、そういうかわいいもあるんだということを広めたいし、そうやって強くなりたい」

そう話し臨んだ、初めてのオリンピック。
パリの舞台でもいつもどおり「カワイイ」の文字が刻まれたマウスピースをつけて観客に手を振って入場しました。

準決勝では試合で使うマットを思わず通り過ぎてしまい「それも私らしい」と笑顔を振りまきましたが、決勝は間違えずにマットへ。

その76キロ級の決勝はパリオリンピック最終日、レスリングの最終種目。
“かわいい”に支えられて磨いた強さを存分に見せ、新たな歴史を刻みました。

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。