“誰よりも注目される存在に”

「パリで主人公になりたい」

オリンピック初出場の23歳、清岡幸大郎選手が大会前何度も口にしてきたことばです。
パリオリンピックで男子フリースタイル65キロ級の決勝が行われるのは大会最終日。清岡選手は最終日に金メダルを取ることで、誰よりも注目される存在になることを大会前から思い描いてきました。

国内の選考会で1度は敗れ、オリンピック出場が絶望的な状況だった1年前。そこからオリンピックのマットに上がるまでの道も“主人公”のように切り開いてきました。
代表の大本命だった東京大会の金メダリスト乙黒拓斗選手が内定がかかる去年の世界選手権でまさかの敗戦。再びパリオリンピックへのチャンスが巡ってくると、全日本選手権で乙黒選手を破り、出場権を手にしました。

「自分は優勝すると思って…」

もともと目立ちたがり屋だったという清岡選手。そこからオリンピックまでのわずか半年余りの短い期間「ふだんから自分はオリンピックで優勝する選手だと思って生活している」「もっと自分を見てほしい」「できるだけ期待してもらいたい」などと力強いことばを口にしてきました。
オリンピック前にはハンガリーで行われた国際大会で優勝するなど、課題だった経験面も最後まで積み重ねてきました。

“全部かっさらって” つかみとった金メダル

そして「めちゃくちゃすごい、かっこいい試合をして全部かっさらってやりたい」と臨んだ本番では、高い身体能力を生かした得意の攻撃的なレスリングを見せ続けました。
決勝ではおととしの世界選手権で優勝しているイランの選手に勝って、オリンピック最終日に金メダルを獲得し、めざしていた“主人公”にふさわしい活躍を見せました。

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