パリ五輪の陸上女子800メートルを走るライラ・マスリ=2日、パリ郊外(AP=共同)

 【パリ共同】パリ五輪に出場したパレスチナ代表8人のうち、6人はパレスチナ自治区の域外で生まれ育った。表彰台に立つ目標には届かなかったが、先祖から受け継いだ「不屈の精神」を世界に示し、夢を諦めないと誓った。イスラエルの攻撃で苦境が続く自治区ガザの子どもらに「困難を乗り越えてほしい」と思いを寄せた。  陸上女子のライラ・マスリ(25)は米国で生まれた。両親はイスラエル占領地、ヨルダン川西岸ナブルスの出身。家庭でパレスチナの料理を食べ文化を教わった。イスラエル軍が検問所を設置してパレスチナ人の移動を規制している西岸の状況も聞かされた。  22年に初めてナブルスを訪れた。親戚とすぐになじみ「ここは私の故郷だ」と感じた。  選手村でさまざまな国の代表からパレスチナの参加を歓迎された。マスリはパレスチナの子どもに、こう呼びかける。「世界が味方してくれる。君たちには堂々と顔を上げていてほしい」  柔道男子のファレス・バダウィ(28)はシリアの難民キャンプ生まれ。親戚は今もガザに住む。「私たち選手も屈しない」と訴えた。


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