高校野球・夏の甲子園1回戦(11日)
○鶴岡東(山形)2―1聖光学院(福島)●
鶴岡東はエースで4番の桜井椿稀(つばき)が1失点で完投し、決勝打も放った。
130キロ台中盤の速球にスライダーやカーブのコンビネーションがさえ、9安打を打たれながらも要所を抑えた。1点差の九回1死一、二塁も併殺で切り抜けた。「ピッチャーの方が自信がある。ピンチでも楽しめました」と笑みを浮かべた。
打っては三回2死二、三塁。追い込まれてからの変化球を左前に流し打ち、2点適時打とした。
U18(18歳以下)日本代表候補にも選ばれた「二刀流」の左腕だが、二つの夢がある。一つはプロ野球選手、もう一つはプロ野球の審判員だ。
きっかけは小学4年生の夏休み。故郷の長野からプロ野球・西武の試合を見に埼玉へ行った時だ。憧れの菊池雄星投手(アストロズ)とともに、目が離せない存在がいた。「球審の方が三振のジャッジでポーズを決める姿がかっこよくて。大人も交ざった審判の講習会に行くようになって、中学時代は紅白戦で審判をする時もあった。今も夢は(プロ野球選手と審判)どっちもです」
審判に憧れたことで、野球のルールや審判の心理にも精通できたという。「審判も人間なので、判定は人それぞれ。そこを生かして、審判がストライクを取ってくれそうなところに投げるようにしている」。この日も116球を投げながら無四球。夢は投球にも生きている。【皆川真仁】
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