2人で行う『デュエット』は、テクニカルルーティンとフリールーティンの2つの演技の合計点で競います。

テクニカルルーティンを終えて6位ながら2位のオーストリアとはおよそ10ポイント差とメダルがねらえる位置で演技に臨んだ比嘉選手と佐藤選手のペアは、冒頭から2連続でリフト技を成功させると、テーマの『ペガサス』が羽ばたく姿を足技で表現しました。

しかし終盤、連続した足技でミスがあり技が認定されず、日本は249.7271と10番目の得点にとどまりました。

テクニカルルーティンとフリールーティンとの合計では507.0804で8位となり、2大会ぶりのメダル獲得はなりませんでした。

金メダルは合計566.4783の中国で、フリールーティンの得点は4番目ながらテクニカルルーティンの高得点で逃げきりました。

アーティステックスイミングでは『チーム』と『デュエット』とも過去6大会連続でロシア勢が金メダルを独占してきましたが、今大会、この競技ではロシア勢は出場していません。銀メダルはイギリス、銅メダルはオランダでした。

比嘉「実力をもっと上げていかなければ」

比嘉選手は「前日のテクニカルルーティンではすごく落ち着いて冷静に演技できたが、フリールーティンは後半の足技で振り付けがとんでしまった。どうなったのか全く覚えていないが、それが減点の原因だと思うので集中していたつもりでも全然集中できていなかったのではないかと思う」と反省を口にしました。

そのうえで「この思いを忘れることなく、見つかった課題の克服や練習の見直しをして、自分の実力をもっと上げていかなければいけない」と話していました。

佐藤「集中しきれずに終わってしまった」

また佐藤選手は「難度を上げた構成で臨んだのはよかったが、そこに完成度が追いついていなかった。練習不足、実力不足が目立ってしまった。ミスも続いてしまって、集中しきれずに終わってしまい悔しい」と振り返りました。

佐藤選手はおよそ3か月前にデュエットで比嘉選手とペアを組むことが決まり、短い時間の中で演技を作りあげてきました。

これについて佐藤選手は「3か月前は自分で務まるのか不安でしかたがなかった。それでも決まったことだし、頑張ろうと思い続けてきた。3か月しかなかったというのは言い訳にしてはいけないし、このたった3分弱の演技で結果は決まるので、そこに集中を注げなかったのが課題だと思う」と話していました。

中島ヘッドコーチ「次につなげるステップに」

中島貴子ヘッドコーチはデュエットのフリールーティンで後半の足技で振り付けを間違えたことが減点につながったことを明かし、「私たちはとにかく高い難度でぶれずに準備をして披露するという目標でやってきたが、結局、失敗をしてしまったので反省しなければいけない」と話しました。

そのうえで、ことし5月から新たにペアを組み練習を重ねてきた比嘉選手と佐藤選手について、「冷静にしっかり積み上げてこられたのは2人だったからこそだと思う。ただトップレベルのペアと戦うことに対して、練習のつめの甘さが出たのかなと思う。今回の失敗を必ずむだにせず、次につなげるステップにしようということは伝えた」と話していました。

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