八千代市市民会館で開かれたパブリックビューイングで安楽宙斗選手を応援する市民ら=八千代市萱田町で2024年8月9日午後6時45分、小林多美子撮影

 パリ・オリンピックのスポーツクライミング男子複合で、千葉県八千代市出身の安楽宙斗選手(17)が銀メダルを獲得した。同市市民会館で9日夜に開かれたパブリックビューイング(PV)では400人を超える市民らが「おめでとう」と声をそろえ、健闘をたたえた。

 壁に設置された突起物のコースを完登した数を競う「ボルダー」と、ロープをかけながら壁を登る「リード」の2種目の合計点で争う。安楽選手はボルダーで首位に立った。

 安楽選手は、県立八千代高校3年生。同級生の佐藤諒知(あきと)さん(17)は前半のボルダー終了後「落ち着いていて、つらい時でもいったん冷静になって立て直していた。さすがだなと思う」とたたえた。高校入学当初から有望な選手だと知っていたが「まさかこれほど早く、こんなにすごい選手になるなんて」と驚いた。後半のリードに向け「この調子でいつも通りの力を発揮してほしい」と見守った。

 リードで最後の1人として安楽選手が登場すると会場は熱気に包まれ、上に登っていくたびに歓声が上がった。あと一歩で「金」には手が届かなかったが、「銀」をたたえるバルーンスティックの音が鳴り響いた。

 祖父の安楽安則さん(68)は「相当、苦労して練習していたから、メダルに手が届いて本当に良かった」と喜んだ。小柄な安楽選手は小さい頃は他の選手に差をつけられることが多く、よく涙を流していたという。「お疲れ様、ご苦労様という思いしかない」と安則さん。「ゆっくりして、何か好きなことをして遊んでほしい」とねぎらった。【小林多美子】

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